FOMC議事要旨に注目、引き締めはあるか?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・米株は軟調続く
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回る
・豪指標結果は強弱まちまち
・日本の物価上昇率が2%越え

米株は軟調地合い続く
米株は軟調地合いが続き、ダウ平均は続落し、昨年3月4日以来約1年2カ月ぶりの安値を記録、S&P500も約1年2カ月ぶりの安値を更新、ナスダック総合株価指数も続落しています。
ダウ平均の下落は2011年以来の8週連続下落となっています。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回る
FRBの過度な引き締めを懸念して景況感が悪化
5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を大きく下回り、コロナ禍の2021年5月以来の数字となる2.6を記録しました。
景況感の悪化を受けてドル売りが加速しています。
豪指標結果は強弱まちまち
RBA理事会議事要旨では0.4%の利上げも検討されたなど、タカ派な内容であったことから豪ドル買いが進みました。
翌日に発表された賃金指数は予想を下回り、豪ドルの上値が重くなる。
その翌日に発表された雇用統計では、新規雇用者数は予想を下回ったものの、内訳では正規雇用者数が大幅に増加し、非正規雇用者数が激減するなど内容としてはポジティブだったため豪ドルは底堅い動きとなった。
日本の物価上昇率が2%越え
日本の4月コア消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%と発表され、日銀のインフレ目標2.0%を上回ったが、市場予想通りの結果だったこともあり反応は限定的。
黒田日銀総裁が
「足もとは輸入物価が上昇。(物価安定目標に掲げる2%に到達について)安定的な推移にはならず、続かない」などと発言し、
マイナス金利を含む現行の長短金利操作(YCC、イールドカーブ・コントロール)政策を軸とした強力な金融緩和政策を粘り強く続け、経済の回復をしっかりサポートする」との考えを改めて示したことも円買いにつながらなかった要因となっている。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオン リスクオフ
ドル円 上昇 上昇 底堅い
ユーロドル レンジ 上値 上値重い
ポンド円 レンジ 上値重い 下落
ゴールド 上昇 底堅い 底堅い
ダウ レンジ 上値重い 下落

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

5月23日(月曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
ユーロ圏財務相会合
日米首脳会談
08:05 AUD ケントRBA総裁補佐発言
17:00 EUR ドイツIFO景況感指数
23:15 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
23:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
23:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言

5月24日(火曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
01:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
01:15 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
07:45 NZD NZ四半期小売売上高
08:00 USD ジョージ・カンザスシティ連銀総裁発言
08:00 AUD 豪製造業・サービス業PMI
08:05 AUD ケントRBA総裁補佐発言
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD 新築住宅販売戸数

5月25日(水曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
02:00 USD 米2年債入札
08:45 AUD エリスRBA総裁補佐発言
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
15:00 EUR ドイツGDP(改定値)
16:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁、パネッタECB専務理事発言
17:00 EUR ラガルドECB総裁発言
20:05 JPY 黒田日銀総裁発言
21:30 USD 米耐久財受注
23:30 USD 原油在庫量

5月26日(木曜日)
世界経済フォーラム(WEF)年次総会
02:00 USD 米5年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米GDP(改定値)・失業保険申請件数
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:00 USD 中古住宅販売戸数

5月27日(金曜日)
02:00 USD 米7年債入札
10:30 AUD 豪小売売上高
20:35 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
20:35 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
21:30 USD 米PCEデフレーター
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

5月28日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

今週のファンダ分析のポイント

1)経済指標

ポイント!

今週の重要指標は?

  • 製造業・サービス業・総合PMIに注目!
  • PCEデフレーターに注目!
  • 小売売上高に注目!

今週は注目の指標が予定されています。
指標のポイントなどを以下にまとめています。

製造業・サービス業・総合PMI

24日
16:15 フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:45 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

今週は注目の製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。
各国中銀による引き締め政策の影響で景気後退が懸念されています。
各国引き締め政策は織り込みが進んでいることから、今後は景気後退による通貨売りがポイントになると考えています。
PMIは今後の景況感を指数化したものなので、PMIが予想よりも悪化していた場合は景気後退懸念に繋がり、通貨売りが加速する可能性が高いので結果に注目です。

 

PCEデフレーター

27日 21:30 PCEデフレーター

FRBが政策判断に重要視している物価指標、PCEデフレーターに注目。
CPI(消費者物価指数)では物価の高止まりが見えて気ましたが、PCEデフレーターでは物価の高止まりが見えてくるのか、結果に注目です。
予想以上の結果が出てくるようだと、先月の数字以上の結果が出てくるようだと、物価を抑える為に利上げ幅が拡大するのではないかとの見通しからドル買いが進む可能性があるので注目です。

 

小売売上高

今週はカナダやNZ、豪州で小売売上高が発表されます。
物価高から消費が低下し、景気後退が懸念されている状況です。
小売売上高が予想よりも弱い結果となると、消費意欲が低下していると受け止められ景気後退懸念に繋がり、中銀の引き締め政策が慎重姿勢に変わるのではないか。
通貨売りに繋がるのではないかと注目しています。

 

2)リスク要因

ポイント!

今週のリスク要因は?

  • 株安リスクに注目!
  • ウクライナ情勢に注目!
  • 英政治に注目!
  • 中国景気に注目!

株安リスク

各国中銀の引き締め政策や、物価高からくる景気後退懸念から株価下落のリスクが大きくなっています。
先週も株価下落によるリスクオフ相場が続きました。今週も株安によるリスクオフ相場に注目です。

株安要因としては、経済指標と資源価格に注目したいと思います。
ウクライナや中国などの地政学リスクから資源価格などが上昇すると景気後退リスクが高くなり株安が進むのではないかと注目しています。
経済指標については、弱い数字が出てくると景気後退懸念から株安、強すぎる数字が出てくるとさらなる引き締め懸念に繋がり株安が進む可能性があります。
株価の動きに注目しておきたいと思います。

ウクライナ情勢

ロシアのウクライナ侵攻は決定的な結果が出ないまま、ロシアの侵攻が続いています。
そんな中、スウェーデンとフィンランドの2カ国がNATO加盟を正式に申請したことでロシアの報復措置とトルコの動向に注目が集まっています。
スウェーデンとフィンランドのNATO加盟は、NATOの東方拡大だとロシアは批判しており、報復措置をとるのではないかと注目されています。

ポーランドやブルガリアに対して天然ガスの供給を停止しており、フィンランドにも天然ガス供給を停止するのではないかとの噂もあります。
天然ガスの供給が停止となると欧州の天然ガス価格が上昇し、さらに物価高による景気後退が懸念される展開となりそうです。
また、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟についてトルコが反対しており、加盟を認めるのか、どのような条件を出してくるのかにも注目です。

 

英政治リスク

先日の地方議会選挙で大敗し、与党の支持率が下がり、ボリス・ジョンソン首相の辞任など政権リスクが高まっています。
また先週の物価指標では前年比9%と、かなりの物価高が進んでおり、政権批判が高まっています
その他にも北アイルランド議定書に関する問題など、英国の離脱に関する問題が再燃する可能性もあります。
英国の政治リスクに関するヘッドラインに注目です。

 

中国景気

中国はゼロコロナを目指してロックダウンを継続していますが、6月くらいから徐々に解除していくのではないかと見られています。
順調にロックダウン解除に向かえば問題ないですが、再度ロックダウン拡大や、解除の延期などの報道が出てくるとリスクオフが進むのではないかと思われます。
中国のロックダウンが継続されるとサプライチェーンの混乱に繋がり世界的な製造業に影響します。
また、中国景気の後退は世界的な景気に影響します。
中国の動向でリスクオフが進んだり、後退するので、中国の動向に注目です。

 

3)金融政策

ポイント!

注目の金融政策は?

  • FOMC議事要旨に注目!
  • RBNZ理事会に注目!

26日03:00 FOMC議事要旨

FRBの引き締めがどこまで進むのか、物価を抑えることができるのか、景気後退は大丈夫なのか、議事要旨の内容に注目です。
議事要旨の内容を受けて米金利が上昇するのか、ドル買いが再開するのか、議事要旨の発表に注目です。
FRBの過度な引き締めが意識される展開となれば、株安ドル売りに反応する可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

25日11:00 RBNZ理事会

前回0.5%利上げを発表し、今回も0.5%利上げが予想されています。
主要中銀の中では先行して利上げを進めるRBNZが、今回も0.5%利上げを進めるのかに注目です。
また、声明文で今後の利上げがどのように進めるつもりなのか、経済見通しについてどのように考えているのかにも注目です。
タカ派な内容になるようであればNZドル買いが出てくる可能性があり、逆に打ち止め感が見えてくるようであればNZドル売りが出てくる可能性があるので注目しておきたいと思います。

    4)要人発言

    ポイント!

    注目の要人発言は?

    • ECB要人発言に注目!
    • BOE要人発言に注目!
    • FRB要人発言に注目!

    ECB要人発言

    ECBは6月理事会でAPP(資産購入プログラム)を終了し、7月利上げ示唆するのではないかとの観測が高くなってきています。
    ECB要人の発言から、7月利上げに関する発言が出てくるのか、景気見通しや物価見通しについてどのような発言が出てくるのか注目です。
    7月利上げの可能性が高まればユーロ買いが進む可能性が高いので注目しています。

     

    BOE要人発言

    英国は前年比9%の物価高と、高い人件費から物価を抑えるために利上げを進めたいと思われます。
    ただ、物価高による消費の低下など景気後退の懸念も同時に高まっており、スタグフレーションの懸念が出ています。
    景気を優先して引き締めを遅らせるのか、物価を優先して引き締めを加速させるのか、発言内容に注目しています。
    景気を後退させずに引き締めを進めることができるようであればポンド買いですが、景気後退の可能性から引き締めを遅らせるようであればポンド売りが加速する可能性があるのではないかと注目しています。

     

    FRB要人発言

    米国は0.5%利上げを示唆していることから、注目は今後の利上げ幅と景気の後退についてです。
    特に、利上げを進めることで景気が大きく冷え込むのではないかとの懸念が強くなってきています。
    今後の景気見通しについてと利上げについての発言、また発言後の米株価の動きに注目しておきたいと思います。
    引き締めを進めるタカ派発言が出てきても、景気後退が懸念されれば株価が下落しドル売りが進む可能性があるのではないかと注目しています。

     

     

    今週の通貨毎の分析

    本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

    ドル円

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・要人発言
    ・株価
    ・FOMC議事要旨
    ・PCEデフレーター
    ・製造業・サービス業・総合PMI

    ポンドマン
    買い目線だけど高値掴みには注意!

    基本は買い目線。
    ドル高円安の要因は以下の2点。
    ・FRBの利上げ(引締め)政策によるドル高
    ・日銀の緩和政策継続と貿易赤字による円安

    日米金利差によるドル円買い目線は変わりませんが、米金利の上昇一服とドル買い一服によりドル円の上値が重い展開が予想される。
    今週発表のFOMC議事要旨やPCEデフレーターで引き締め加速観測が出てくると、景気悪化の可能性からドル売りが進む可能性がある。
    また、製造業・サービス業・総合PMIで景況感の悪化が見えてきた場合、今までのドル買いが急に巻き戻す可能性があるので注意しておきたいと思います。

    ユーロドル

    スタンス:売り目線

    ポイント
    ・製造業・サービス業・総合PMI
    ・要人発言
    ・FOMC議事要旨

    ポンドマン
    7月利上げの可能性は高くなったけどマーケットは織り込み済みかな!?

    ユーロドルは方向感が難しい状況。
    ユーロ安とドル高の組み合わせでユーロドルは下落しやすと考えているが、ドル買いが落ち着く可能性がありレンジになる可能性も考えている。
    ECBの7月利上げは織り込み済み。
    ここから、年内マイナス金利を解除し、さらに追加利上げをするようであればユーロ買いが進む可能性がある。
    ただそれには景気がついてくる必要があるので、景気後退懸念がないか製造業・サービス業・総合PMIの結果が重要だと考えている。
    また、FOMC議事要旨でFRBの引き締めが加速するようであれば、過度な引き締めで米国の景気後退懸念からドル売りが進み、ユーロドルが上昇する可能性があるので注意しておきたいと思います。

    ポンド円

    スタンス:売り目線

    ポイント
    ・政治不安
    ・要人発言
    ・製造業・サービス業・総合PMI

    ポンドマン
    政治不安に景気後退懸念、ポンドは当分買えそうにない!

    ポンドは政治不安から売られやすくなっています。
    また、ロシアへの制裁の影響も出ていると思われます。
    ただ円安が進んでいることでポンド円はレンジを形成しています。
    ここから円安がどこまで進むかによりますが、ポンド円の上値重い展開、下落の可能性も高くなると考えています。
    また、製造業・サービス業・総合PMIで景気の見通しが悪化するようであればポンド売りが加速し、ポンド円も下落する可能性があるので注意しておきたいと思います。

    ゴールド

    スタンス:買い目線

    ポイント:ドル安・株価下落

    ポンドマン
    ドル高一服でゴールドは上昇!?
    各国中銀の過度な引き締め政策により景気後退懸念と株価下落のリスクが出てきています。
    リスクオフによる安全資産としてのゴールド需要が高まると考えています。
    また、ドル高一服によるドル安要因でゴールドが上昇しています。
    株価の動きとドルインデックスに注目して、下げたところを買っていきたいと考えています。
    ゴールドの相関性
    ✔️金利との相関性
    金利上昇 → ゴールド売り

    金利低下 → ゴールド買い

    ✔️リスク要因との相関性
    リスクオン相場 → ゴールド売り
    リスクオフ相場 → ゴールド買い

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