【アフガニスタン問題】タリバンとは?マーケットへの影響は?簡単に1から全てを解説します。

日本では危機感の少ないアフガニスタン問題ですが、かなり激化してきています。
地理的な問題で直接的な影響はないかもしれませんが、マーケットへの影響はかなり大きいです!

タリバンとはどんな集団なのか?
結局何が問題でどんな影響があるのか?

知識が0の方がマーケットへの影響までしっかり理解できる様に簡単に説明しています。

 

アフガニスタンにいる人はかなり深刻な状況です。

2021年8月26日には、空港で自爆テロまで起こっています。米兵も12人死亡しているらしです。

今後さらに状況が悪化していく事が予想されるので、ここでしっかり理解を深めておきましょう。

アフガニスタンで何が起こっている?!

引用元:WEDGE

タリバン政権がアフガニスタンに復権しました。

タリバンがアフガニスタンの首都カブールに進攻し、欧米が後ろ盾になっている民主主義政権を追い出してガニ大統領は国外に退避、タリバンが首都カブールを制圧しました。

日本で考えると麻原彰晃軍団が東京を占領して、菅さんがアメリカに国外逃亡した様な状況です・・恐ろしい・・

では、タリバンとはどんな集団なのでしょうか?

タリバンとは?

独自の厳格なイスラム法解釈でアフガニスタンを統治するイスラム原理主義組織。

そもそもタリバンとは?

1994年ムハマド・オマルがタリバン創設。
2001年までアフガニスタンで政権を握っていました。

そもそもタリバンの何が問題なのか!

タリバンの大きな問題は、人権弾圧テロリストです。

タリバンの解釈するイスラム法の下では・・・

  • 女性の人権なし
  • 移動中は全身を覆うことが義務、男性の親族が付き添わなくてはいけない
  • 教育や医療を受ける権利は制限
  • 結婚を強制させられるなど女性に尊厳はなし

1990年代のタリバンがアフガニスタンを統治した時代は国家として認められておらず、国際社会からはのけ者でした。

当時のタリバンはテロ組織アルカイダをかくまい、「テロ大学」と呼ばれる機関を作るなどテロリストの温床となっていました!

なぜ今回の事が起こったのか・・?

バイデン大統領の失策!?

911同時多発テロを起因にアフガン戦争が勃発。
テロ組織アルカイダをかくまっていたタリバンはテロの首謀者として、米軍を中心に組織された連合軍により崩壊させられました。

その後、米国主導で新政権が樹立、20年間アフガニスタンで政権を担ってきました。

ただ、トランプ政権時にアフガニスタンから米軍の撤退が決定。その後バイデン大統領が8月31日までに全軍撤退を名言。米軍の撤退に付け込まれて、タリバンは急進攻しアフガニスタンに復権することになりました。

アフガニスタンの現状は?

米軍の兵器が奪われ、タリバンにより空港周辺は封鎖、2001年のアフガン戦争前の状況に振出しに戻りました。

イギリス元首相ブレア
過去20年間に積み上げてきた成果を台無しにする恐れがある!

トランプ前大統領は空爆を行いながら米軍を撤退し、状況を見ながら撤退するため撤退期限は設けませんでした。

バイデン大統領

バイデン大統領は撤退することを優先し、撤退期限を設けました。すると・・・
・タリバンは急進攻
・米軍の残した兵器をタリバンに奪われる
この様な結果となりました。また、アフガン戦争は米国主導で各国との連合軍で行ったにもかかわらず、バイデン大統領は各国との相談もなく撤退してしまいました。

このことで、アフガニスタンには多くの欧米諸国の在留職員や民間人が避難できずに取り残されています。

また、タリバン政権から逃れたいアフガニスタン人も空港周辺に殺到していて、かなり大変な状況です。

空港周辺はタリバンにより封鎖され管理されている状況です。タリバン政権は、現状では欧米諸国の人たちや正当な理由のあるアフガニスタン人の出国は認めています。

周辺国の動きは?

英国のボリス・ジョンソン首相は、アフガニスタン問題でバイデン大統領に電話をしたそうですが、30時間放置されたそうです。アフガニスタン問題に対する危機感に差があるようです。

米国は終わりのないアフガニスタン問題よりも、自国軍が傷つくことや軍事費のほうが気になる。
今回のことを受けても米軍撤退は変わらず、撤退期日も変更なし、在留職員などの避難に対しては米軍を派遣しています。

欧州諸国は地理的に危機感が高く、在留職員などの避難だけでなくタリバンへの対応を協議するため、G7緊急首脳会議の開催やG20首脳会議の開催要求などアフガニスタン問題に積極的です。

日本は相変わらずです。

ロシアは今の所、タリバンに批判的な立場をとってはいますが、反米という点で共通の目的があるため、ホントの所は分かりません。

中国は一帯一路の一部として、反米という点でタリバンに友好的な立場をとっています。

タリバンの広報官はイラン・中国・パキスタン・ウズベキスタン・ロシアと良好な関係にあると語っています。

今後予想される懸念材料は?

直近で懸念されるのは難民とテロで、大きな流れとして懸念されるのは米国の影響力低下です。

 

難民問題

タリバン政権によるアフガニスタン統治は能力的に無理があるようです。
1990年代のタリバン政権時のアフガニスタンは廃墟のようだったと言われ、タリバンには単独で行政サービスを提供する能力は無く、国としての統治は難しいと見られています。

人権弾圧と政府やインフラもないタリバン政権から逃れようとアフガニスタンから非難する人が溢れています。
そのため、難民の受け入れが問題になってくると思われます。

難民問題で大きな影響を受けたのが欧州です。難民を多く受け入れたことで財政的に苦しくなったり、難民に職を奪われ失業率が増加したりと、欧州で問題となりました。

 

テロ問題

また、難民に紛れてテロリストが入り込み、IS(イスラム国)の自爆テロが問題となりました。

今回もタリバン政権のもと、アフガニスタンではテロリストの温床となり、世界中がテロの脅威にさらされる可能性が懸念されています。

 

米国の影響力低下

大きな流れとして米国の影響力低下が懸念され、世界の二分化ドルの基軸通貨からの転落などが考えられます。

今回のタリバン進攻はバイデン大統領の失策として、周辺国は報道しています。

もともと米国主導で始めたアフガン戦争なのに、周辺国を置き去りにして撤退、その結果アフガン戦争の敗北が決定してしまいました。

ポンドマン
当然、周辺国からの信頼は落ちてしまいます!

中東での米軍の支配力も低下し、イランや中国とともに反米の影響力が高まります。反米の先頭は中国で、中国をリーダーとするアジア圏と民主主義を中心とした欧米諸国で世界を二分する展開が懸念されています。

中国は一帯一路構想で中東を抑えるつもりです。タリバンをはじめイスラム諸国を中国が取り込むことでエネルギー(原油)を抑えることができ、世界のエネルギー(原油)取引を人民元で行うこととなれば、人民元の影響力が高まり、米ドルの基軸通貨維持が難しくなる可能性が懸念されています。

米中問題にも影響が・・・?
ちなみに、最強の武器は原爆やミサイルなどの軍事力ではなく、基軸通貨だとも考えられており、米国が世界の警察などと大きな影響力を持っているのは米ドルが基軸通貨だからだとも言われています。

上記の通り米ドルが基軸通貨として維持できなくなると、米国の世界での立場も自然と低下していきます。

マーケットへの影響は?

マーケットへの影響は主に2つ考えられます。

  1. リスクオフとしての影響
  2. ドルショック

それではこの2点について、みていきましょう!

リスクオフとしての影響

アフガニスタン問題がきっかけでリスクオフになると以下の様な影響が考えられます。

リスクオフ相場では・・・

売られる 買われる
株(リスク資産) 債券(国債)
商品先物(リスク資産)
資源国通貨 安全通貨
豪ドル
カナダドル フラン

また、地理的に影響しやすいのがトルコや欧州で、トルコや欧州はすでに難民問題を抱えていることから、アフガニスタンからの難民が向かうと大きな問題になる可能性があります。

最大の懸念点:ドルショック

最大の懸念はドルショックです。

米国は過去、ずっと戦争をしていました。アフガン戦争の前はイラク戦争(湾岸戦争)、その前はベトナム戦争です。
今回のアフガン戦争は泥沼化から米軍撤退という点でベトナム戦争の時と似ています。ベトナム戦争で起きたのがドルショック(ニクソンショック)です。

ドルショックとは

  1. ベトナム戦争でお金がなくなり、大量のドル紙幣を印刷
  2. ドル紙幣を大量に印刷した事でインフレが発生
  3. 大量印刷で価値が落ちた米ドルを手放す動きにつながる

当時は米ドルと金価格は固定されており、米ドルの価値が下がっているので、米ドルを手放し金に替えてもらう動きが殺到しました。金が足りなくなることを懸念した米国の当時の大統領、ニクソン大統領は金の受け渡しを禁止、金の固定相場を廃止しました。歴史の転換点となった出来事でした。

今年の8月で、ドルショック(ニクソンショック)からちょうど50年になります!

アフガン戦争やコロナの影響による超緩和政策で大量のドルを供給してインフレが懸念されている状況で上記で書いたようにドルの基軸通貨転落の可能性などを考えると、ドルショックが再び起きるのではないかと懸念されています。

ポンドマン
ドルショックが起きた場合、歴史的な変革がマーケットに起こるかもしれません!
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