「必要があれば躊躇なく追加緩和」今後も円安は継続?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・ドル円が一時139.30円まで上昇
・ユーロドルがパリティ割れ
・RBNZ理事会で利上げ発表
・カナダ中銀サプライズ利上げ
・ドラギ伊首相が辞任表明

ドル円が一時139.30円まで上昇
黒田日銀総裁が必要があれば躊躇なく追加緩和」と改めて発言したことで円売りが進みました。
FRBが来週のFOMCで1.00%利上げの可能性が出てきたことでドル買いが進み、ドル円は上昇し1998年9月以来の139.30円を記録しましています。

ユーロドルがパリティ割れ
エネルギー供給不安などを背景に欧州の景気後退(リセッション)懸念、イタリア政局混迷への警戒感が強まる中でユーロを売る動きが継続しています。
ユーロドルは2002年12月以来約20年ぶりに1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を割り込み、一時0.9950ドルまで下落しました。
RBNZ理事会で利上げ発表
RBNZが市場予想通りに2.50%に利上げしたことで一時0.6139ドルまで上昇したものの、声明で利上げペースの鈍化が示唆されたほか経済活動に対する中期的な下向きリスクも指摘されたことで、その後はNZドル売りで反応した。
カナダ中銀サプライズ利上げ
カナダ銀行(BOC)は政策金利を現行の1.50%から2.50%に引き上げることを決めたと発表。
市場は0.75%の利上げを予想していたことから、予想を上回る1.00%の利上げに踏み切ったことでカナダドル買いで反応。

声明文や記者会見で
BOCは金利をさらに引き上げる必要があると引き続き判断
金利の引き上げのペースは経済とインフレの継続的な評価によって導かれる
と追加利上げを示唆したことでカナダドルを買う動きが進んでいる。
ドラギ伊首相が辞任表明
ドラギ伊首相が辞任表明すると伊政局不安が高まり再びユーロを売る動きが優勢となった。
その後、マッタレラ伊大統領がドラギ首相の辞任を拒否している。
辞任発表の翌日はドラギ首相の辞任を受けて前日3%安となった伊株価指数が反発したほか、他の欧州株も総じて底堅く推移したことでユーロは反発上昇している。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオン リスクオン リスクオン
ドル円 底堅い 底堅い 底堅い
ユーロドル 上値重い 上値重い 上値重い
ポンド円 レンジ レンジ レンジ
ゴールド 上昇 レンジ 上値重い
ダウ レンジ 上値重い 上値重い

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

7月18日(月曜日)
東京市場休場(海の日)
07:45 NZD NZ四半期CPI(消費者物価指数)
22:00 GBP ソーンダースBOE外部理事発言

7月19日(火曜日)
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
11:00 AUD ブロックRBA総裁補佐発言
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米建築許可件数

7月20日(水曜日)
02:45 GBP ベイリーBOE総裁発言
08:10 AUD ロウRBA総裁発言
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
23:00 USD 米中古住宅販売戸数
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
23:30 USD 原油在庫量

7月21日(木曜日)
07:45 NZD NZ貿易収支
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
20:00 TRY トルコ金融政策発表
21:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文発表
21:30 USD 米失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
21:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見

7月22日(金曜日)
08:30 JPY 日CPI(消費者物価指数)
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
21:30 CAD カナダ小売売上高
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

7月23日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

今週のファンダ分析のポイント

1)金融政策

ポイント!

ニュージーランドの政策は?
カナダの政策は?

  • ECB理事会に注目!
  • 日銀金融政策決定会合に注目!
  • RBA理事会議事要旨に注目!

21日21:15 ECB理事会

注目度 かなり高い
織り込み度 0.25%の利上げは織り込み済み
バイアス ユーロ安

ポイント:利上げ幅と欧州景況感

ポンドマン
今回からECB理事会の発表時間が変更で30分遅くなるよ~

欧州は物価高から0.25%利上げは織り込み済み、一部では0.5%利上げ予想もありますがメイン予想は7月0.25%利上げして9月に追加で0.25%利上げが有力です。
今回の利上げ幅が0.25%なのか、それとも0.5%なのか、利上げ幅に注目です。
ただ、サプライズで0.5%利上げとなってもユーロ買いに反応するかは微妙だと思っています。

もう一つの重要な部分として、引き締めによる欧州景況感が重要だと思っています。
利上げを進めることでどこまで景況感に影響が出てくるのか、声明文や記者会見に注目です。
0.5%利上げもしくは7月利上げに加え9月の連続利上げを示唆したとしても、ユーロ圏の景況感悪化が見えてくるようであればユーロ売りに傾くと思っています。
引き締めプラス景気の下支えがあるようであればユーロは底堅く推移できるのではないかと注目しています。

 

21日12時前後 日銀金融政策決定会合

注目度 高い
織り込み度 現状維持を織り込み済み
バイアス 円安

ポイント:緩和維持、追加緩和姿勢を維持するのか

先週、黒田日銀総裁が「必要があれば躊躇なく追加緩和する」と発言したことで円安が進みました。
今回の日銀金融政策決定会合でも、先週の発言同様に追加緩和姿勢を維持するのかに注目です。

もし追加緩和姿勢を維持するような内容が出てくると円安が進み、1ドル=140円も見えてくるのではないかと注目しています。

また、その他にも物価、景況感、成長率など今後の見通しにも注目です。
スタグフレーション懸念が高まれば円売り加速に繋がるのではないかと思っています。

 

19日10:30 RBA理事会議事要旨

先週発表された雇用統計は予想以上の結果が出てきました。
雇用後継の結果を受けて次回利上げ期待も進んでいます。
7月のRBA理事会議事要旨の内容が利上げに前向きな内容であれば8月の利上げ期待もさらに進むのではないかと注目しています。

 

2)経済指標

ポイント!

今週の注目の経済指標は?

  • 英雇用統計に注目!
  • 英CPI(消費者物価指数)に注目!
  • カナダCPI(消費者物価指数)に注目!
  • カナダ小売売上高に注目!
  • 製造業・サービス業・総合PMIに注目!

ポンドマン
全体的に「利上げ」「物価高」がキーワード!

19日15:00 英雇用統計

雇用統計では雇用者数や失業率よりも平均賃金に注目です。
英国では物価高だけでなく景気後退、政治リスクなど多くの問題を抱えており、中でも物価高の要因の一つとなっているのが人手不足です。
EUから離脱したことで欧州からの働き手がいなくなったことと、コロナ禍で早期離脱者が多い事で人手不足となっています。
これらは人件費の高騰に繋がるので、どこまで人件費が高騰しているのか平均賃金に注目です。

20日15:00 英CPI(消費者物価指数)

英国では物価高が問題となっています。
物価高が予想以上に進んでいた場合は8月の会合で0.5%利上げの可能性が高くなるのではないかと注目を集めています。
物価高により利上げ幅が進んだとしてもポンド高に繋がるかは微妙です。
利上げや量的緩和の解除などの影響で景気後退懸念に繋がり、株価下落・ポンド安に反応する可能性もあります。
指標結果とマーケットがどのような反応をするのか併せて注意しておきたいと思います。

20日21:30 カナダCPI(消費者物価指数)

カナダ中銀は先週の政策発表で予想外の1.00%利上げを発表しました。
追加利上げの可能性を示唆し、金利の引き上げのペースはインフレの評価次第としています。
今週発表の物価が予想以上の結果となると、さらなる利上げの可能性が高くなるのではないかと注目しています。

22日21:30 カナダ小売売上高

カナダ中銀は大幅利上げを発表し、追加利上げも示唆しています。
先週発表された1.00%利上げの影響は今回の小売売上高には影響ありません。
ただ、引き締めの影響により消費が低下し景気後退の可能性が出てくると、今後の引き締めに影響があるのではないかと注目しています。
小売りが予想以上の結果だった場合は、景気は底堅いと判断して引き締め加速に繋がるのではないかと思っています。

22日 製造業・サービス業・総合PMI

16:15 フランス製造業・サービス業・総合PMI
16:30 ドイツ製造業・サービス業・総合PMI
17:00 ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI
17:30 英製造業・サービス業・総合PMI
22:45 米製造業・サービス業・総合PMI

世界的に物価上昇が問題となり、各国中銀が引き締めを加速させています。
引き締めを進めることで景気後退が懸念されています。
どこまで景気後退を懸念しているのか、各国の景況感を確認するためにPMIに注目です。
また、今回のPMIは速報値なので予想と結果の乖離が大きくなる可能性があるので注目です。

 

3)リスク要因

ポイント!

注意したいリスク要因は?

  • 株安リスクに注目!
  • イタリア政治リスクに注目!
  • 中国コロナリスクに注目!
  • 欧州エネルギーリスクに注目!

欧州ではガス供給が停止するのではないかとの懸念からユーロの上値が重くなっています。
また、イタリアではドラギ首相が辞任の意思を固めており、今週も再度辞任を表明するのではないかと言われユーロの上値を抑えています。
中国ではコロナ感染を抑える為に、再度ロックダウンが懸念されて、景気後退に繋がるのではないかと懸念されています。
その他にも引き締めによる株価下落などのリスクもあります。
リスク要因には注意しておきたいと思います。

 

今週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・日銀金融政策決定会合

ポンドマン
日銀金融政策決定会合次第で140円超えの可能性もあるな!

基本は買い目線。
貿易赤字と日米金融政策の違いによる円安目線は継続です。

米国はFOMC前のブラックアウト期間なので要人発言がないことから材料としては日銀金融政策決定会合に注目です。
日銀が緩和姿勢を維持するようであれば円安が進み、1ドル=140円が見えてきます。
仮に円高が進んでも、日銀の金融政策が変わらなければ押し目として円買いを進めていきたいと考えています。

ユーロドル

スタンス:売り目線

ポイント
・製造業・サービス業・総合PMI
・ECB理事会

ポンドマン
ガス供給にイタリア政局不安がユーロ売りを加速させてるね!

ユーロは売り目線。

欧州天然ガス供給不安、イタリア政局不安などリスク要因に加え、物価高による景気後退などユーロは売り材料が多数です。
この状況で週末に発表されるフランスやドイツ、ユーロ圏の製造業・サービス業・総合PMIが予想を下回るようであれば景況感の悪化からユーロ売りが加速すると考えています。
また、ECB理事会で今後の景気後退不安が見えたり、今後の利上げがゆっくりとなるような内容であればユーロ売りが進むと考えています。

反対に利上げを加速させ、景気は底堅いなどの内容であればユーロは反発上昇する可能性が高いので注意しておきたいと思います。

 

ポンド円

スタンス:買い目線(円安要因で買い)

ポイント
・CPI(消費者物価指数)
・雇用統計

ポンドマン
指標次第で方向感が決まるかな!?

ポンド円はレンジ~買い目線。
今週はCPI(消費者物価指数)や雇用統計など重要指標が立て続けに発表される。
単純に予想を上回るとポンド買いとはならない可能性がある。
指標が発表され、マーケットが利上げ幅に反応してポンド買いやポンド売りに動くのか、それとも景気後退を懸念してポンド売りに反応するのかを確認して方向感を見極めたいと考えています。
金利の上昇と株価の動きに注目していきたい。

ゴールド

スタンス:売り目線(様子見)

ポイント
・ドル高
・株価下落

ポンドマン
コモディティ価格が落ちてきていることもゴールドの上値を抑える要因になってる!?
ゴールド買い要因
ゴールド買い要因
  • 株価下落によるリスクオフ
  • インフレヘッジとして
  • ドル高一服
ゴールド売り要因
  • ドル高
  • リスクオフ後退
今週は米経済指標によるドル買いがどこまで進むのかに注目。
ドル買いが進むとゴールドが下落しやすいので一旦は短期的に売り目線で見ています。
ただ、長期では買い目線なので下げたところは買っていきたい。
ゴールドの相関性
✔️金利との相関性
金利上昇 → ゴールド売り

金利低下 → ゴールド買い

✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い

免責事項

・投資・投機はいかなる場合においても「自己責任」です。投資判断の最終的な決定は皆さま自身の「自己責任」の元行うものとし、投資資産のいかなる損失等が発生しても当サイト並びに運営者は責任を負うことはできません。

おすすめの記事