物価上昇のピークアウトの見え始め、再度上昇はあるのか?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・ユーロ圏のHICP(消費者物価指数)が予想を上回る
・カナダ中銀が利上げ決定
・OPECプラス閣僚級会合で増産決定
・NFP雇用統計は予想を上回る

ユーロ圏のHICP(消費者物価指数)が予想を上回る
5月ドイツHICP(消費者物価指数)、5月ユーロ圏HICP(消費者物価指数)ともに予想を上回る結果となり、金利の上昇とともにユーロ買いが進んでいる。
欧州中央銀行(ECB)はインフレに対応するため金融引き締めを急ぐとの見方が強まりユーロ買いが進み、ユーロ円は4月21日の高値140.00円を突破すると、一時140.37円と2015年6月以来7年ぶりの高値を更新しました。
カナダ中銀が利上げ決定
カナダ銀行(BOC)は政策金利を市場予想通り、現行の1.00%から1.50%に引き上げることを決めたと発表し、声明では「インフレの上昇が定着するリスクが高まっているとして、「金利をさらに引き上げる必要がある」「目標達成のために必要な場合、より強力に行動する準備ができている」とタカ派姿勢を示したことでカナダドルは買われ、カナダドル円は一時103.10円と2015年1月以来約7年5カ月ぶりの高値を更新した。
OPECプラス閣僚級会合で増産決定
石油輸出国機構(OPEC)と主要生産国による枠組みOPECプラスは7月と8月の供給量を日量64.8万バレルに拡大することで合意。
ただ、西側諸国の制裁によるロシア産原油の減少分をを補填する範囲の増産で、一部で浮上していた有力産油国による大幅増産に対する懸念は後退し、供給が限られる状態は続くとの見方から原油価格は高止まりしている。
NFP雇用統計は予想を上回る
5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比39.0万人増と予想の32.5万人増を上回ったことが分かると米10年債利回りが2.98%台まで上昇し円売り・ドル買いが進み、ドル円は1時過ぎに一時130.98円と5月9日以来の高値を付けたが、5月9日に付けた2002年4月以来の高値131.35円がレジスタンスとして意識され130.88円で取引を終了。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオン リスクオフ
ドル円 上値重い 上値重い 上値重い
ユーロドル 上昇 上昇 上昇
ポンド円 レンジ 上値重い 上値重い
ゴールド 上昇 底堅い 底堅い
ダウ レンジ 上値重い 下落

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

6月6日(月曜日)
ニュージーランド(女王誕生日)、ノルウェー、ドイツ、スイス、フランス(聖霊降臨祭翌日の月曜日)、休場
10:45 CNY 財新サービス業PMI

6月7日(火曜日)
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI
21:30 USD 米貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
23:00 CAD カナダIveyPMI

6月8日(水曜日)
02:00 USD 米3年債入札
08:50 JPY 日1∼3月期GDP(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏1∼3月期GDP(確定値)
23:30 USD 原油在庫量

6月9日(木曜日)
02:00 USD 米10年債入札
20:45 EUR ECB理事会・政策金利・声明文・スタッフ予想発表
21:30 EUR ラガルドECB総裁記者会見
21:30 USD 米失業保険申請件数

6月10日(金曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁発言
02:00 USD 米30年債入札
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
17:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

6月11日(土曜日)
00:00 EUR ナーゲル・ドイツ中銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
03:00 USD 米月次財政収支

今週のファンダ分析のポイント

1)金融政策

ポイント!

今週の注目の金融政策は?

  • ECB理事会に注目!
  • RBA理事会に注目!

今週は注目度の高い金融政策が発表されます。
金融政策のポイントなど以下にまとめました。

ECB理事会

9日20:45 ECB理事会・金融政策・スタッフ予想発表
9日21:30 ラガルドECB総裁記者会見

注目度 かなり高い
織り込み度 APP(資産購入プログラム)の終了は織り込み済み
バイアス ユーロ買い

ポイント:7月理事会に向けて利上げ示唆とスタッフ予想

 

欧州では物価上昇を抑える為に引き締め観測が高まっています。
7月利上げはほぼ織り込み済みで、今回の理事会声明文、もしくはラガルドECB総裁の記者会見から、次回利上げ幅注目が0.25%なのか0.5%なのかの見極めに注目が集まっています。
7月の理事会で0.5%利上げの可能性が出てくるようであればユーロ買いが進むのではないかと注目しています。
また、7月利上げだけでなく、9月利上げや12月など年内でプラス金利まで利上げするのかにも注目です。

今回は四半期ごとに発表されるスタッフ予想が出てくると思ので、こちらにも注目です。

  • 物価高、ウクライナ侵攻、ECBによる引き締め政策などが欧州の経済にどのような影響が出てくるのか、見通しに注目
  • 景気見通しが底堅いようであれば、ECBも引き締めを進めやすく、ユーロ買いが進む

スタッフ予想とはECBが四半期ごとに発表する経済見通し。
物価見通しや経済成長率の見通しが発表される。

 

RBA理事会

7日13:30 RBA理事会・金融政策・声明文発表

注目度 高い
織り込み度 0.25%利上げ織り込み済み
バイアス 特になし

ポイント:利上げ幅と次回利上げの可能性

 

今回の理事会で利上げすることはほぼ織り込み済みですが、先日発表された5月理事会議事要旨では0.4%の利上げも検討されたとあったことから、今回の理事会でも0.25%を上回る0.4%利上げの可能性もあるのではないかと注目しています。
今回の利上げ幅が0.25%以上だった場合は豪ドル買いが出てくると思っています。

また、声明文で次回以降も引き締めを進めるといったタカ派な内容でも豪ドルはそこが高く推移すると思っています。
声明文で引き締めによるマイナスの影響に触れたり、今後の引き締めに慎重な姿勢が見える内容だった場合は、豪ドル売りが出てくる可能性があるので注意しておきたいと思います。

2)経済指標

ポイント!

今週の注目指標は?

  • 米CPI(消費者物価指数)に注目!
  • ミシガン大学消費者信頼感指数に注目!
  • カナダ雇用統計に注目!

10日21:30 米CPI(消費者物価指数)

今週は注目の物価指標が発表されます。
前回のCPI(消費者物価指数)で米国物価上昇のピークアウトが見えてきました。
今回のCPI(消費者物価指数)でピークアウトを再確認できるか、それとも物価上昇が再開するのか、結果に注目です。

ただ、結果と値動きについては予測できない状況です。

値動き予測
物価上昇→FRBの引き締め加速→金利上昇→株価下落→リスクオフのドル買い
物価上昇→スタグフレーション懸念→ドル売り
物価下落→FRBの引き締め後退→金利低下→ドル売り
物価下落→スタグフレーション懸念後退→ドル買い
色々なパターンが考えられます。

色々なパターンが考えられます。

CPI(消費者物価指数)の発表と値動きからマーケットの考え方を確認したいと思います。

10日23:00 ミシガン大学消費者信頼感指数

米国ではFRBの過度な引き締めと物価高から景気後退が懸念されています。
今回の消費者信頼感指数は速報値なので予想と結果が乖離する可能性が高く、下方に乖離した場合は大きくドル売りが進む可能性があるので注意したいと思います。

 

10日21:30 カナダ雇用統計

カナダ中銀も大きく引き締めを進めている状況です。
雇用状況がしっかりしていれば、さらに引き締めを進めることができるのではないかと思います。
雇用統計に注目しておきたいと思います。

 

 

3)リスク要因

ポイント!

注意したいリスク要因は?

  • 円高リスクに注目!
  • ロシアリスクに注目!
  • 英国政治リスクに注目!
  • 株安リスクに注目!

円高リスク

先日、黒田日銀総裁の発言で出口戦略という言葉が出てきたことで円高に進む場面がありました。
主要中銀が引き締めに動く中で、日銀が緩和政策を続けることで円安が進んでいます。
マーケット全体も円安に傾いている状況なので、日銀が出口戦略に向かうという観測が出た場合はイッキに巻き戻しの円買いが出る可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

ロシアリスク

ロシアの侵攻は続いており、決定的な結果が出てきていない状況です。
NATO加盟国が増える中でロシアが新たな制裁や行動に移した場合はリスクオフが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
特に生物兵器・化学兵器・核兵器などを使用した場合は要注意です。
また、ロシアは米国がウクライナに武器供与することは直接参加しているのと同じだという発言をしており、米国への攻撃や制裁など米露の対立に発展する可能性があるのでこちらも注意しておきたいと思います。

 

英国政治リスク

英国ではボリス・ジョンソン首相の辞任圧力が高まっており、政治リスクが高くなっています。
また、北アイルランド議定書の内容変更を英国が示しており、欧州との対立が注目されています。
北アイルランドを巡る英国と欧州の対立が表面化してくる可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

株安リスク

世界的に金利が上昇し、株価の重しとなっています。
物価上昇も景気後退が懸念され、スタグフレーション懸念に繋がって株価の重しとなっています。
このような状況から株価下落リスクにつながって、株価下落によるリスクオフの可能性があります。
経済指標で景気後退が懸念される結果となった場合や、要人発言から引き締め観測が進んだ場合など、株価の動きに注目です。

 

今週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・CPI(消費者物価指数)
・ミシガン大学消費者信頼感指数

ポンドマン
高値掴みだけは気をつけたいね!

基本は買い目線。
貿易赤字による円安目線は継続。

円安要因によってドル円は底堅く推移しています。
米ドルはFOMCを控えて動きにくい展開が続くと思います。
CPI(消費者物価指数)やミシガン大学消費者信頼感指数の発表に注目
それまでは下げたところを買っていきたいと思います。

ユーロドル

スタンス:買い目線

ポイント
・ECB理事会

ポンドマン
ユーロは買いトレンドとみてもいいかもね!?

ユーロは買い目線。

ECBが利上げに進むことでユーロが買われています。
今まで売られていただけに、買い余地が残っていると思われ、利上げ幅が広がればそれだけユーロ買いが進むと考えています。
対して米ドルは利上げを織り込みで、ドル買い余地が少ないと考えています。
このことからユーロドルの下値は限定的で、ユーロドルは上昇しやすいと思います。

ECB理事会で7月利上げ幅が0.5%利上げを示唆した場合や、年内でプラス金利まで利上げするような内容が出てくるとユーロはイッキに上昇すると思うので注意しておきたいと思います。

 

ポンド円

スタンス:売り目線

ポイント
・政治不安

ポンドマン
来週、金融政策発表を控えていることから動きにくいなぁ!

ポンドは政治不安から売られやすくなっています。
ボリス・ジョンソン首相の辞任などのヘッドラインが出てくるとポンド売りが加速する可能性が高いので注目。
ヘッドラインが出てこない限り、来週の金融政策発表を控えて動きにくい展開を予想しています。

ただ、円安が進めばポンド円は上昇すると思います。
英政治リスクに関するヘッドライン以外は、円の動向に注目しておきたいと思います。

 

ゴールド

スタンス:買い目線

ポイント:ドル安・株価下落

ポンドマン
ドル高一服でゴールドは上昇!?
各国中銀の過度な引き締め政策により景気後退懸念と株価下落のリスクが出てきています。
リスクオフによる安全資産としてのゴールド需要が高まると考えています。
また、FRBの過度な引き締めによる景気後退懸念のドル安要因でゴールドが上昇しています。
株価の動きとドルインデックスに注目して、下げたところを買っていきたいと考えています。
ゴールドの相関性
✔️金利との相関性
金利上昇 → ゴールド売り

金利低下 → ゴールド買い

✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い

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