26日までの指値オペは織り込み済みか?円安はどうなる?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

日銀は指値オペを通告
・ECB利上げ期待高まる
・日米財務相会談
・フランス大統領選挙(決選投票)

日銀は指値オペを通告
日銀は20日10時10分に指値オペを通知したが、マーケットでは織り込まれていたため一時ドル円は上昇したもののその後は反落した。その後21日から26日まで連続指値オペを実施すると通告があったもののマーケットの反応は限定的
ECB利上げ期待高まる
デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「データ次第で7月に利上げを行う可能性がある」との見解を示したことをきっかけに、全般ユーロ買いが進んだ。ただ、その後ラガルドECB総裁は「政策は今後のデータ次第」と述べるなど、早期利上げについて積極的な発言は出てきていないことから、ユーロはジリジリと元の水準まで戻した。
日米財務相会談
21日に日米財務相会談が開催。その後TBSが「日米財務相会談で協調介入も議論」と報じたことをきっかけに思惑的な売りが持ち込まれドル円は一時127.79円まで下落。米財務省は声明で「イエレン財務長官と鈴木俊一財務相は為替市場を含む金融市場の動向を協議し、為替レートに関してはG7やG20の従来のコミットメントを維持する重要性を強調した」と明らかにし、協調介入に関して触れなかったことで再度円安が進んだ。ロイター通信は匿名を条件に財務省幹部に取材、協調介入の協議に関する一部報道は事実ではないと否定的な見解を示しています。
フランス大統領選挙(決選投票)
24日(日本時間25日早朝)にフランス大統領選挙の決選投票が実施され、事前予想通りマクロン大統領が再選を果たしました。
週明けオセアニア市場・東京市場の反応は限定的です。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオン リスクオン
ドル円 上昇 上昇 上昇
ユーロドル レンジ 上値重い 上値重い
ポンド円 上昇 上昇 底堅い
ゴールド 上昇 上昇 底堅い
ダウ レンジ レンジ 上値重い

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

4月25日(月曜日)
オーストラリア・ニュージーランド休場
17:00 EUR ドイツIFO景況指数

4月26日(火曜日)
00:00 CAD マックレムBOC総裁発言
21:15 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
21:30 USD 米耐久財受注
21:55 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
23:00 USD 米消費者信頼感指数

4月27日(水曜日)
02:00 USD 米2年債入札
10:30 AUD 豪四半期CPI(消費者物価指数)
15:00 EUR ドイツGfk消費者信頼感指数
23:00 USD 米中古住宅販売保留
23:30 USD 原油在庫量

4月28日(木曜日)
日独首脳会談(ショルツ独首相来日)
02:00 USD 米5年債入札
07:45 NZD NZ貿易収支
10:30 AUD 豪小売売上高
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 USD 米GDP(速報値)・失業保険申請件数

4月29日(金曜日)
東京市場休場(昭和の日)
02:00 USD 米7年債入札
10:45 CNY 財新製造業PMI
14:30 EUR フランスGDP(速報値)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
17:00 EUR ドイツGDP(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏GDP(速報値)
21:30 USD PCEデフレーター
21:30 CAD カナダGDP
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数

4月30日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:45 CNY 財新サービス業PMI

今週のファンダ分析のポイント

1)円安

ポイント!

円安は進むのか?
円高の可能性は?

  • 日銀金融政策決定会合に注目!
  • 指値オペに注目!
  • 協調介入に注目!

先週に続き、今週も円を中心としたボラティリティの高い1週間になるのではないかと考えています。
注目点を以下にまとめました。

日銀金融政策決定会合

28日12時前後 日銀金融政策決定会合・金融政策・声明文・展望レポート発表
28日15:30 黒田日銀総裁記者会見

注目度 やや高い
織り込み度 現状維持を織り込み済み
バイアス 円安バイアス

 

ポイント:円安について対応策が出てくるか

先週の黒田日銀総裁の発言や連続指値オペを見る限り、現在の緩和政策を維持すると思います。
声明文や記者会見で円安について触れられると思いますが、今まで通りの発言で経済全体を見ると円安は日本にプラスといった内容になるのではないかと思います。
このような内容であればマーケットの反応は限定的だと予想しています。

ただ、円安を是正するために緩和姿勢を後退させるような実効性のある内容が出てくると円高が進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
特に日銀金融政策決定会合に向けて政策変更の観測報道などが出てくると円高に振れる可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

指値オペ

ポイント:日10年債利回り0.25%

先週は連続指値オペを実施していますが、日本の10年債利回りはYCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲット上限に張り付いています。
通告されている指値オペの期限は26日までです。
27日以降の金利と、指値オペを継続するのかに注目です。
また、指値オペを継続するとなれば円安が進むのかにも注目です。

その他にもYCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲットを0.25%から引き上げるとの噂もあります。
日銀金融政策決定会合に向けて利回りがどの水準で推移するのか注目です。

 

YCC(イールドカーブ・コントロール)とは
短い年限の国債から長い年限の国債まで、金利が少しづつ高くなるようにコントロールしながら緩和政策をする手法。
基準をどこにするかがポイントで、日銀は10年債利回りを0%付近(±0.25%程度)としています。
なので、ポイントである10年債利回りが0.25%を超えようとすると、利回りを低下させるため国債を買い入れる指値オペを実施します。
指値オペとは
日銀が目標利回りで無制限に国債を買い入れる政策。
日銀が無制限に買い入れてくれるため金利は低下する。
金利が低下することで金利差が拡大し円売りが進む。

2)経済指標

ポイント!

注目の経済指標は?

  • 豪四半期CPI(消費者物価指数)に注目!
  • 欧州GDP・HICP(消費者物価指数)に注目!
  • 米GDPに注目!
  • PCEデフレーターに注目!
  • カナダGDPに注目!

27日10:30 豪四半期CPI(消費者物価指数)

RBA理事会はインフレや賃金の進展次第で利上げのタイミングが早まる可能性に言及しています。
今週は四半期CPI(消費者物価指数)が発表されインフレの状況が発表されます。
CPI(消費者物価指数)の結果が予想を上回るようであれば利上げ期待が高まり、豪ドル買いが進む可能性が高いと注目してます。

欧州GDP・HICP(消費者物価指数)

28日21:00 ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
29日14:30 フランスGDP(速報値)
29日15:45 フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
29日17:00 ドイツGDP(速報値)
29日18:00 ユーロ圏GDP(速報値)

先週デギントスECB副総裁が7月利上げに関して発言したことでユーロが急騰する場面がありました。
主要中銀で引き締めが進む中でECBも利上げ観測が高まってきています。

今週は欧州の各国でGDPの速報値やHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されます。
予想以上の数字が出てきた場合は利上げ期待が高まり、ユーロ買いが進むのではないかと注目しています。

 

28日21:30 米GDP(速報値)

今回のGDPは1~3月期の速報値です。
GDPの結果に3月利上げの影響ほとんどありませんが、ウクライナ情勢による地政学リスクは2月なのでやや影響が出てくると思います。
どの程度影響が出ているのか、米経済がどこまで強いのか注目です。

次回5月のFOMCは、すでに0.5%利上げが織り込まれていることから、よっぽど大きな乖離がないと影響は限定的と思いますが、速報値なので予想と結果が大きく乖離する可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

29日21:30 PCEデフレーター・コアPCEデフレーター

先日発表された米国のCPI(消費者物価指数)では前回発表値を下回ったことで、米国のインフレはピークアウトに差し掛かっているのではないかとの見方があります。
ただ、FRBが注目している指標はCPI(消費者物価指数)よりもPCEデフレーターなので、もしPCEデフレーターが前回発表値を上回る結果となればインフレはまだまだ進んでいるとの見方となり、利上げ加速に繋がるのではないかと注目しています。

 

29日21:30 カナダGDP

カナダは先日の金融政策発表で0.5%利上げを発表し、引き締め姿勢を示しています。
今週発表されるGDPが強い結果となれば、追加利上げの可能性高まり、カナダドルの上昇に繋がるのではないかと注目しています。

 

3)リスク要因

ポイント!

今のリスク要因は?

  • ウクライナ情勢に注目!
  • 月末・GW要因に注目!
  • 中国リスクに注目!

何事もなければマーケットに影響はありませんが、急な変動に繋がるリスクがあるので一応注意しておきたいところを以下にまとめました。

ウクライナ情勢

ロシアへの制裁が強化されたことで資源や穀物など物価が上昇しています。
制裁は共同で行っているものから、国ごとで行っているものもあります。
米国はじめ欧州の国が独自にロシアへの制裁を科しても物価に影響が出る可能性があります。
また、反対にロシアが報復に出たことで影響が出る可能性があります。
株価や物価の指数には注意しておきたいと思います。

また、ロシアは5月9日を一つの区切りとして見ているようで、それまでに成果が出ないようであれば生物兵器・化学兵器・核兵器を使う可能性もあるので注意しておきたいと思います。
生物兵器・化学兵器・核兵器を使用した場合は、欧米諸国の対応・制裁も変わってくるのでリスクオフが進む可能性があります。
ヘッドラインには注意しておきたいと思います。

 

月末要因・GW前要因

今週末は月末ということでポジション調整などが出てくる可能性があります。
仲値やロンドンFIX、マーケットのオープン直後やクローズ前など、急変する可能性には注意しておきたいと思います。

また、日本は週末からGWに入るので、東京市場が薄商いになります。
このような時にフラッシュクラッシュなどが起きやすいので、リスク管理・ポジション調整はしておきたいと思います。

 

中国リスク

中国はゼロコロナを目指していて、その事でロックダウンが続いています。
中国がロックダウンの影響で景気が後退するのではないかと注目されています。
中国の景気後退は世界に影響する可能性が高く、特にオセアニアには影響が大きいのではないかと思います。
週末には中国製造業・非製造業PMIや財新PMIが発表されるので、予想よりも悪化していた場合は要注意です。
特に土曜日に発表されるので、週明けのマーケットに影響する可能性があるのでポジションには注意したいと思います。

    今週の通貨毎の分析

    本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

    ドル円

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・日米金利
    ・日銀金融政策決定会合

    ポンドマン
    日銀金融政策決定会合に向けて観測報道には要注意!

    基本は買い目線。
    ドル高円安の要因は以下の2点。
    ・FRBの利上げ(引締め)政策によるドル高
    ・日銀の緩和政策継続と貿易赤字による円安

    何もなければ円安が進んでいくと考えています。
    ただ、今週予定されている日銀金融政策決定会合に向けて政策変更の観測報道が出てくる可能性があります。
    政策変更の観測報道は円高に動く可能性が高いので要注意です。
    ただ、長期で円安だと思っているので、円高が進んだところは押し目買いのチャンスだと考えています。

     

    ユーロドル

    スタンス:買い目線(様子見)

    ポイント
    ・ウクライナ情勢
    ・GDPやHICP(消費者物価指数)

    ポンドマン
    ユーロは買い場を探したいけどタイミング待ちだね!

    今の所ユーロの上値は重いですが、利上げ期待の高まりとともにユーロは買われる展開になるのではないかと考えています。
    なので、転換するポイントを探しています。
    ポイントは利上げ期待なので指標の結果や要人発言に注目。
    悪い結果やハト派な内容が出てきてもユーロが下げなくなったところがチャンスだと考えています。
    そこまで様子を見て、待ってから買いたいと思っています。
    ユーロを買う場合は、円安が注目されているのでユーロ円のほうが上昇しやすいと考えています。

     

    ポンド円

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・観測報道

    ポンドマン
    円安要因でポンド円は上昇すると見てるので円の動きに注目!

    ポンド円は円安要因で上昇しています。
    なので、極端なポンド売り要因が出てくるまではポンド円買い目線で考えています。
    ※円売り要因はドル円を参照

    ポンドが動く要因として5月の政策発表に向けて観測報道でポンドが動く可能性があります。
    大幅利上げなどの報道が出てくるとポンド買いが進む可能性が高いと思っています。
    反対に利上げの打ち止めのようなハト派発言が出てくるとポンド売りが進む可能性があるので注意しておきたい。

    ゴールド

    スタンス:買い目線

    ポイント:リスク要因・インフレ・ドル高

    ポンドマン
    インフレヘッジのゴールド買い目線は今週も継続!
    ゴールドは長期で見た場合、インフレが上昇している間はインフレヘッジとしてゴールド買いが入りやすい状況だと考えています。
    また、逆イールドが出ている状況なので、どこかで景気後退、株価下落によるゴールド買いが出てくるのではないかと考えています。
    ただ、短期的にはドル高・ドル安に影響されやすいと考えています。
    なので短期的にはドル高が進めば割高感からゴールド安、ドル安が進めば割安感からゴールド高に進むのではないかと考えています。
    短期的な動きに注意しながら、下げたところを買っていく方針で考えています。
    逆イールドとは
    国債の利回りで短いもの(6か月や1年・2年など)から中長期(10年や30年など)の利回りを結んだ曲線。
    通常は短いものほど利回りは低く、中長期になるほど利回りは高く、右肩上がりの二次曲線を描きます。
    これが短いものと長いものの利回りが逆転して、右肩下がりになったり山型になったりすることを逆イールドと言い、景気後退のサインだと言われています。
    ゴールドの相関性
    ✔️金利との相関性
    金利上昇 → ゴールド売り

    金利低下 → ゴールド買い

    ✔️リスク要因との相関性
    リスクオン相場 → ゴールド売り
    リスクオフ相場 → ゴールド買い

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