ロシアからのNATOや米国に対しての要求!どこまで受け入れられるか?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・日銀が指値オペを実施
・英CPI(消費者物価指数)は予想以上の高水準

・FOMC議事要旨公表
・ウクライナ情勢を巡るヘッドライン相場

日銀が指値オペを実施
2月10日に通告されていた指値オペを14日(月曜日)10:10に実施。
ただ、事前に通告していたことと、リスクオフで債券市場に資金が流れたことで金利が低下していて、日銀による落札額はゼロでした。
落札額がゼロということでマーケットへの影響はありませんでした。
英CPI(消費者物価指数)は予想以上の高水準
注目されていた英CPI(消費者物価指数)は前年比5.5%(予想5.4%)と、市場予想を上回る結果となりました。
変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアCPI(消費者物価指数)も前年比4.4%(予想4.3%)と予想を上回る数字となっています。
英国の物価上昇は1992年3月以来30年ぶりの伸びを記録していることから、英中銀の引き締め加速に繋がるのではないかとポンド買いが進んでいます。
FOMC議事要旨公表
FOMC議事要旨が16日に公表され、「当局者はバランスシートの大幅縮小が適切と認識」「バランスシートの計画は今後数会合で決定」「多くの当局者は将来のMBS売却の可能性を認識」との内容が明らかになりました。
バランスシート縮小について明確なガイダンスは示さ
れなかったことで、期待していたマーケットは失望のドル売りで反応しましたが、ドル売りは限定的となっています。
ウクライナ情勢を巡るヘッドライン相場
先週はロシアメディアがウクライナから砲撃を受けたと報道するとリスクオフが進み、否定報道が出てくるとリスクオフは後退。
その後ウクライナがロシアからの砲撃を受けたと報道するとリスクオフが進むなど、ウクライナ情勢を巡るヘッドラインでリスクオフが一進一退のヘッドライン相場となっています。
※ウクライナ情勢に関しては今週のファンダ分析ポイントでもまとめています。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオフ リスクオフ
ドル円 上昇 レンジ 底堅い
ユーロドル 上昇 上昇 底堅い
ポンド円 上昇 上昇 レンジ
ゴールド 上昇 上昇 上昇
ダウ レンジ 下落 下落

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

2月21日(月曜日)
米国市場休場(プレジデンツデー)
17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

2月22日(火曜日)
10:00 AUD ケントRBA総裁補佐発言
18:00 EUR ドイツIFO景況感指数
19:45 GBP ラムズデンBOE副総裁発言
23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

2月23日(水曜日)
東京市場休場(天皇誕生日)
ロシア休場(祖国防衛の日)
00:00 USD 米消費者信頼感指数
03:00 USD 米2年債入札
09:30 AUD 豪四半期賃金物価指数
10:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
11:00 NZD オアRBNZ総裁記者会見
18:30 GBP ベイリーBOE総裁、ブロードベントBOE副総裁、ハスケルBOE外部理事、テンレイロBOE外部理事発言(議会証言)
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)

2月24日(木曜日)
ECB非公式会合
02:00 GBP テンレイロBOE外部理事発言
03:00 USD 米5年債入札
18:30 GBP ベイリーBOE総裁発言
22:30 USD 米10∼12月期GDP(改定値)・失業保険申請件数

2月25日(金曜日)
00:00 USD 米新築住宅販売戸数
00:30 USD 原油在庫量
01:10 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
02:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
03:00 USD 米7年債入札
03:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
06:45 NZD NZ四半期小売売上高
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)・10~12月期GDP(改定値)
22:30 USD 米PCEデフレーター・耐久財受注

2月26日(土曜日)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

今週のファンダ分析のポイント

1)ウクライナ情勢

ポイント!

ウクライナの注目ポイントは?
なぜウクライナを巡り争ってる?

  • ウクライナに関するヘッドラインに注目!
  • それぞれの思惑に注目!

先週はウクライナに関するヘッドラインで上下する展開が続き、今週もヘッドラインに振り回される展開が続きそうです。
そのために、なぜウクライナを巡り争っているのか、それぞれの思惑を確認しておきましょう。

それぞれの思惑

ウクライナ
・EUやNATOに加盟したい
・ウクライナ東部で反政府武装組織が占領している地区を取り戻したい
・占領されたクリミア半島を取り戻したい
親ロシア派反政府武装組織
・ウクライナから独立したい
・ロシアと併合したい?
ロシア
・ウクライナのEUやNATO加盟は認められない
・ロシア議会はウクライナ東部の独立を認める方針を可決
・プーチン大統領がウクライナ東部の独立を認めるかは不明
・NATO軍の軍備配置を後退させる(1997年の露NATO基本合意書調印時点まで)
・欧州(中欧や東欧)から米軍の撤退
欧米諸国
・ウクライナのNATO加盟は2008年に「将来的にあり得る」としながらも、今はロシアなどとの関係を考慮し検討中
・ロシアによるウクライナ侵攻は認められない
・ウクライナに進攻した場合はロシアに対して経済制裁
・ドイツやフランス、米国など各国間で温度差がある
・欧州、特にドイツはロシアからの天然ガス供給が止まるとかなり大変

 

今後のポイント

ロシアはNATOや米国に対しての要求を出しています。
この要求を欧米が認めるかがポイント!
多分、すべての要求を受け入れることは不可能だと思われるので、ロシアがどこまで妥協するかもポイント!

それぞれの思惑は上記の通りなので、どこで折り合いをつけて着地させることができるのかがポイントになりそうです
着地させることができずに軍事衝突やロシアの侵攻、経済制裁に発展するようであればリスクオフが進むと考えています。

ちなみに、ロシアがクリミア半島に進攻したときは2014年のソチ冬季五輪の閉幕3~4日後だったことを考えると、北京冬季五輪が閉幕した今週は注意したい。

2)金融政策

ポイント!

ニュージーランドの金融政策は?
ECBは政策変更する?

  • RBNZ理事会に注目!
  • ECB非公式会合に注目!

RBNZ理事会

23日10:00 RBNZ理事会・政策金利・声明文
23日11:00 オアRBNZ総裁記者会見

注目度 やや高い
織り込み度 0.25%利上げ織り込み済み
バイアス NZドル安

 

ポイント:声明文や記者会見で利上げ回数とインフレ見通し

ニュージーランドでも物価高は問題となっており、物価上昇を抑える為にRBNZは利上げを実施すると予想されています。
市場予想では025%の利上げ、0.75%→1.00%に引き上げが予想されています。
注目は今後のインフレ見通しと利上げ回数で、インフレ見通しが上方修正されるようであれば利上げ回数も追加され、ニュージードルの買いが出てくるのではないかと注目しています。

ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりや、北京冬季五輪が閉幕し景気後退が懸念される中国など、NZドルの上値は重くなっているので、予想通りの結果が出てくるようであればNZドル売りが進む可能性があるので注目しておきたいと思います。

 

ECB非公式会合

先週、ラガルドECB総裁はツイッターで非公式会合の開催をツイート。
非公式会合が予定されているということは、通常の理事会を待たずに政策変更があるのではないかと注目を集めています。
これまで緩和姿勢をとってきていたECBが、前回の理事会で急にタカ派になったことでユーロ買いが進んでいます。
非公式会合で政策変更(引締めの加速)が出てくるようであれば、ユーロ買いが進む可能性があるのではないかと注目しています。

 

3)経済指標・要人発言

ポイント!

注目の経済指標は?
注目の要人発言は?

  • PMIに注目!
  • 豪四半期賃金物価指数に注目!
  • PCEデフレーターに注目!
  • 英中銀MPCメンバーの発言に注目!

RBNZ理事会

21日17:15 フランス製造業・サービス業・総合PMI
21日17:30 ドイツ製造業・サービス業・総合PMI
21日18:00 ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI
21日18:30 英国製造業・サービス業・総合PMI
22日23:45 米国製造業・サービス業・総合PMI

今週はマークイット社が発表するPMIの速報値が発表される予定で、欧州や英国、米国では物価上昇による景気後退が懸念されています。
また、欧州ではウクライナ情勢による景気後退も懸念されています。
PMIの数字が予想を下回るような事があれば、通貨売りに繋がる可能性があるのではないかと注目しています。

PMIとは
企業の仕入れ担当(景気に敏感な担当者)に今後の景気見通しについてアンケートし、結果を指数化したもので「50」を好不況の境界線となっています。

豪四半期賃金物価指数

23日09:30 豪四半期賃金物価指数

RBA(オーストラリア準備銀行)は雇用状況の中でも賃金の上昇率に注目しています。
特に今週発表される賃金物価指数に注目していて、予想を上回るようであればRBAの金融引き締めに繋がる要因となるのではないかと注目しています。
引き締め期待が高まれば、豪ドル買いが進むのではないかと考えています。

 

PCEデフレーター

25日22:30 PCEデフレーター・コアPCEデフレーター

FRBが最も注目している物価指標がPCEデフレーターです
先日のCPI(消費者物価指数)は7.5%と1982年以来の40年ぶりの高水準が記録されていて、今週発表のPCEデフレーターも予想を上回り記録的な高水準の結果となるのではないかと注目されています。
PCEデフレーターの結果を受けて、FRBの3月利上げ幅が0.25%になるのか、それとも0.5%になるのか、マーケットは注目しており、利上げ観測でドル買いが進むのか後退するのかが注目されています。

 

要人発言

今週は英国の要人発言が多数予定されています。

2月の英国中銀は2会合連続の利上げを発表。
9人中4人が0.5%利上げに票を投じるなど、タカ派姿勢を強調しています。

9名いるMPCメンバーのうち、0.5%利上げに票を投じたのはラムズデンBOE副総裁・ソーンダースBOE外部理事・ハスケルBOE外部理事・マンBOE外部理事の4名です。

それ以外のMPCメンバーからタカ派発言が出てくるのかに注目。
タカ派発言が続くようであれば、次回会合の利上げ確率と、ポンド買いに影響があるのではないかと思っています。

 

今週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・米金利
・ウクライナ情勢

ポンドマン
リスクオフが後退すればドル円は上昇すると思ってるんだよね!

基本は買い目線。
引き締め政策を進めるFRBと緩和政策を継続する日銀の政策の違いからドル買い・円安が進むのではないかと考えています。

ただ、現状はウクライナ情勢を巡り地政学リスクの高まりからリスクオフが進み円高が進んでいます。
今のところは挑発だけで、なんとか外交で解決しようとしています。
このまま外交で解決に向かった場合、もしくは膠着状態が長く続きリスクが織り込まれたときにはリスクオフは後退しドル円の上昇は再開すると考え、ドル円は下げたところを買っていきたいと考えています。
※本格的にウクライナ侵攻、軍事衝突に発展した場合は、一旦撤退を検討

 

ユーロドル

スタンス:買い目線

ポイント
・欧州金利
・ウクライナ情勢

ポンドマン
ウクライナ侵攻が本格的に始まったらユーロは上値抑えられるかも!?

ユーロドルは買い目線。
今まで緩和政策を続けてきたECBが引き締め方向に転換しようとしており、売られていたユーロが買い戻されると考えてユーロ買いを考えています。

ただ、FRBの引き締め期待による米ドル買いと、ECBの引き締め期待によるユーロ買いどちらも勢いを相殺してユーロドルの上昇ペースが遅くなる可能性があります。
なので、ユーロを買う場合はユーロ円のほうが上昇が早いのではないかと考えています。
ドル円同様にユーロが売られたところは買っていきたいと考えています。

ただ、注意点としてはウクライナ情勢です。
ウクライナ侵攻が本格的に始まった場合、軍事衝突に発展した場合、ロシアに対して経済制裁を実施した場合はロシアからの天然ガス供給が無くなります。
このことで欧州のガス代は高騰、電気代は高騰、経済活動は低下してしまいます。
こちらもドル円同様に本格的にウクライナ侵攻、軍事衝突に発展した場合は、一旦撤退を検討

ポンド円

スタンス:買い目線

ポイント
・要人発言
・リスク要因

ポンド円は買い目線で考えます。
英中銀の追加利上げの期待感は強く、ポンドを下支えしています。
今週は英中銀MPCメンバーの発言が続くので、発言内容がタカ派(引締めに積極的)な内容であった場合はポンド買いが進むのではないかと注目しています。

ただ、現状はウクライナ情勢を巡り地政学リスクの高まりからリスクオフが進み円高が進み、ポンド買いと円買いでレンジになっています。
ドル円同様に、このまま外交で解決に向かった場合、もしくは膠着状態が長く続きリスクが織り込まれたときにはリスクオフは後退し、円売りが進みポンド円は上昇するのではないかと考えています。
※本格的にウクライナ侵攻、軍事衝突に発展した場合は、一旦撤退を検討

 

ゴールド

スタンス:買い目線

ポイント:リスク要因・インフレ

ポンドマン
ウクライナ情勢によるリスクオフでゴールド上昇!
ウクライナ情勢による地政学リスクの高まりから、安全資産であるゴールドに資金が集まっています。
今週も先週同様にウクライナ情勢によるリスクオフが進むのか、それとも後退するのかでゴールドの上下が決まってくるのではないかと注目しています。
リスクオフは同じ状況が続くと織り込みが進み、リスクオフが後退するので新たなヘッドラインが出てこないか注目です。
また、リスクオフが後退したとしても、インフレヘッジとしてのゴールド買いがあるので、大きく下げたところは買い目線でいきたいと考えています。
ゴールドの相関性
✔️金利との相関性
金利上昇 → ゴールド売り

金利低下 → ゴールド買い

✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い

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