FOMC議事要旨で利上げ発言多数!日銀の指値オペはどうなるか?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・日銀が指値オペを実施
・ロシア・ウクライナで停戦交渉
・OPECプラス閣僚級会合開催
・米雇用統計は堅調な結果

日銀が指値オペを実施
日銀は28日(月曜日)10:10に10年国債で指し値オペ(0.25%で買入額は無制限)実施を通告、午後に入り、2回目となる指し値オペを実施することを通告、東京株式市場クローズ後には29日から31日までの指値オペ継続を発表。
指値オペ実施を受けて円安が進み、ドル円は一時2015年8月以来となる125.09円まで上昇、ユーロ円は2015年8月以来の水準137.53円まで上昇、ポンド円も164.64円、豪ドル円は94.32円、NZドル円は86.95円、スイスフラン円は133.56円、カナダドル円は100.20円まで、それぞれ円売りが進んだ。
ロシア・ウクライナで停戦交渉
トルコのイスタンブールでロシアとウクライナの停戦交渉が行われ、和平交渉の進展期待が高まり一時ユーロ買いが進んだ。
ただ、その後に交渉進展を否定する発言が出てきたことでユーロ買いは限定的だった。

OPECプラス閣僚級会合開催
OPEC加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は追加増産の見送りを決定したことで、原油価格の上昇要因となっています。
原油価格上昇に対応するように米政権は戦略石油備蓄の放出を決定し、原油価格の上昇を抑制しています。
米雇用統計は堅調な結果
3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比43.1万人増と予想の49.0万人増を下回った一方、失業率が3.6%と前月から低下し予想よりも強い結果となり、平均時給が5.6%と前月の5.2%からさらに上値を伸ばし人件費の高騰が見える結果となった。
雇用統計の結果を受けて米長期金利が上昇しドル買いが優勢となったが、その後は予想を下回ったISM製造業景況指数が発表されドル買いは限定的となった。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオン リスクオン
ドル円 上昇 上昇 上昇
ユーロドル 上昇 底堅い 底堅い
ポンド円 上昇 上昇 上昇
ゴールド 上昇 上昇 底堅い
ダウ レンジ レンジ 上昇

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

4月3日(日曜日)
豪州・ニュージーランド 標準時間に移行(サマータイム終了)

4月4日(月曜日)
中国市場休場(清明節)
10:30 AUD 豪小売売上高
16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)
18:05 GBP ベイリーBOE総裁発言
23:00 GBP カンリフBOE副総裁発言

4月5日(火曜日)
中国市場休場(清明節)
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:30 USD 米貿易収支
21:30 USD カナダ貿易収支
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
23:05 USD ブレイナードFRB理事発言

4月6日(水曜日)
03:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
10:45 CNY 財新サービス業PMI
17:30 GBP 建設業PMI
19:45 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
22:30 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
23:00 CAD カナダIveyPMI
23:30 USD 原油在庫量

4月7日(木曜日)
03:00 USD FOMC議事要旨(3月16日分)
10:30 AUD 豪貿易収支
20:30 EUR ECB理事会議事要旨(3月10日)
21:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
21:30 USD 米失業保険申請件数
22:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言

4月8日(金曜日)
03:00 USD エバンス・シカゴ連銀総裁(23年投票権)、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
05:05 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
08:50 JPY 日貿易収支
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率

4月9日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

今週のファンダ分析のポイント

1)円安

ポイント!

円安の要因は?
注意点は?

  • 指値オペに注目!
  • コモディティ価格に注目!
  • けん制発言に注目!

先週は日銀が指値オペを実施したことで円安が進み、またその後の買い戻しなどで円のボラティリティの高い1週間でした。
今週もマーケットの中心となるような気がしています。
円安要因となる指値オペとコモディティ価格に注目しています。

指値オペ

ポイント:日10年債利回り0.25%

先週28日(月曜日)10:10に日銀は指値オペの実施を通告、午後にも2回目の指値オペを通告し、東京株式市場クローズ後には29日∼31日の3日間連続指値オペを通告しました。
このことで円安が大きく進んでいます。
今週も日本の10年債利回りが上昇し、0.25%に近づくようであれば指値オペが実施される可能性があるので注目です。
日銀による指値オペが通告されると円安が進む可能性が高いので要注目です。

YCC(イールドカーブ・コントロール)とは
短い年限の国債から長い年限の国債まで、金利が少しづつ高くなるようにコントロールしながら緩和政策をする手法。
基準をどこにするかがポイントで、日銀は10年債利回りを0%付近(±0.25%程度)としています。
なので、ポイントである10年債利回りが0.25%を超えようとすると、利回りを低下させるため国債を買い入れる指値オペを実施します。
指値オペとは
日銀が目標利回りで無制限に国債を買い入れる政策。
日銀が無制限に買い入れてくれるため金利は低下する。
金利が低下することで金利差が拡大し円売りが進む。

 

コモディティ価格

ポイント:コモディティ価格の上昇は円安要因

原油や天然ガスなどのエネルギー資源、小麦や大豆などの穀物、鉄鉱石やニッケルなどの鉱物資源、このような商品先物価格が上昇しています。
上昇要因にウクライナ情勢がありますが、上昇要因はそれだけではありません。
コロナ禍によるサプライチェーンの分断、需要の増加、温暖化対策によるエネルギーシフトなど、様々な複合要因でコモディティ価格が上昇しています。

資源輸入国である日本は、コモディティ価格が上昇すると輸入物価が上昇します。
輸入物価が上昇すると貿易赤字が拡大、赤字が拡大すると支払いのために円を売ってドルを調達しなくてはいけなくなります。
そのためコモディティ価格が上昇すると円売りが加速します。

円安が進むと輸入物価が上昇するので、円安→輸入物価が上昇→貿易赤字が拡大→円安→輸入物価が上昇・・・
円安スパイラルに陥る可能性もあります。
円安スパイラルに陥らないか、円安が進まないか、コモディティ価格に注目です。

 

円安けん制発言

ポイント:円安がどこまで容認されるのか?

円安進行が進んだ場合、どこまで容認してもらえるか注目です。
日銀が緩和政策を継続し、指値オペ実施することで円安が進みます。
円安が進めば、輸入物価が上昇し、円安スパイラルが懸念されます。

このような状況をいつまで容認するのか、円安けん制発言がいづれ出てくるのではないかと注目しています。
円安けん制発言が出てきた場合、進んだ円安がイッキに巻き戻され円高が進む可能性があるので要注意です。

 

2)金融政策

ポイント!

注目の金融政策は?

  • RBA理事会に注目!
  • FOMC議事要旨に注目!
  • ECB理事会議事要旨に注目!
  • 要人発言に注目!

5日13:30 RBA理事会

注目度 やや高い
織り込み度 据え置きを織り込み済み
バイアス

豪ドル買い

ポイント:年内利上げの可能性について

今までRBAは利上げを頑なに否定してきました。
ただ、先日の雇用統計を見ても雇用状況は回復しており、経済状況も回復しているので、声明文などから年内利上げの可能性が出てくるかに注目が集まります。
利上げの可能性が出てきた場合は豪ドル買いが加速する可能性があるので注目しておきたいと思います。

7日03:00 FOMC議事要旨

ポイント:0.5%利上げの可能性と米金利

先日のFOMCでは0.25%の利上げを発表し、今後も0.25%利上げを示唆されました。
ただ、その後のFOMCメンバーからは、0.5%利上げに関する発言が多数出てきています。
議事要旨で0.5%利上げに関してどこまで議論されていたのかに注目です。
議事要旨が発表され、米金利がどこまで上昇するのか、ドル買いがどこまで進むのか注目です。

 

7日20:30 ECB理事会議事要旨

ポイント:年内利上げの可能性

先日の理事会でAPP(資産購入プログラム)の前倒し終了が示唆されました。
その後に発表されたHICP(消費者物価指数)も予想以上の伸びを示しており、物価高が懸念されています。
物価高を抑える為に年内の利上げがあるのではないかと注目が集まっています。
議事要旨の中で、年内利上げの可能性について議論されていたのかに注目が集まっています。
年内利上げの可能性に繋がる内容が出てくるようであればユーロ買いが進むのではないかと注目しています。

 

要人発言

コロナ・ウクライナ情勢など地政学リスクから中央銀行の金融政策にマーケットの注目点が移っています。
そのため、金融政策を先読みしようと要人発言に注目が集まっています。

FRBは0.5%利上げの可能性と来年末までの利上げ回数
ECBはAPP(資産購入プログラム)の終了時期と年内利上げの可能性
BOEは次回利上げの可能性と年内利上げ回数
RBAは年内利上げの可能性

などと中銀によって微妙に注目点が違うので注意しておきたいと思います。
それぞれの発言から引き締め観測が高まれば金利が上昇し通貨上昇に繋がるのではないかと考えています。

 

3)リスク要因

ポイント!

ウクライナ情勢は?
スタグフレーションのリスクは?

  • ウクライナ情勢に関するヘッドラインに注目!
  • コモディティ価格に注目!
  • 逆イールドに注目!

地政学リスク相場は落ち着いてきていますが、ウクライナ情勢も完全に収束したわけではありません。
また、その他にも物価上昇というリスクもあります。
それぞれのポイントについてまとめました。

ウクライナ情勢

ロシアによるウクライナ侵攻や、ウクライナ軍によるロシア軍の押し戻しなど、ウクライナ情勢に関する報道は次々と出てきています。
ただ、ウクライナ情勢に関する報道は織り込み済みでマーケットの反応は限定的です。
ここからは、ウクライナ情勢の収束が見えた場合はユーロ買いが進む可能性があります。
逆に生物兵器や核兵器を使用した場合、NATOが動く可能性があります。
NATOが動くと第3次世界大戦の可能性が懸念され、再度リスクオフが進む可能性が出てくるので、生物兵器や核兵器の使用には注意しておきたいと思います。

また、ロシアへの制裁内容にも注目です。
制裁が進めばエネルギー価格の上昇や商品価格の上昇など経済に影響が出てくる場合があります。
エネルギー価格の上昇や商品価格の上昇が進むと、国によってはリスクに変わります。
制裁内容と商品価格の上昇に注目です。

 

コモディティ価格

原油・天然ガスなどのエネルギー価格の上昇や、小麦などの穀物やニッケルなどの鉱物など、様々の価格が上昇しています。
商品価格の上昇は、各国の物価上昇に繋がり、スタグフレーションの可能性に繋がります。
スタグフレーションの可能性が高まれば、景気悪化が懸念され株価下落に繋がる可能性があるます。
商品価格の上昇がリスクオフに繋がる可能性があるので注意しておきたいと思います。

※スタグフレーションとは物価の上昇と景気後退が同時に起こる現象

※スタグフレーションとは
物価の上昇と景気後退が同時に起こる現象

逆イールド

米国では一時的に2年債と10年債で逆イールドが発生したりしています。
逆イールドが発生すると景気後退のサインとされています。
逆イールドが進まないか、金利差に注目しておきたいと思います。

    今週の通貨毎の分析

    本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

    ドル円

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・コモディティ価格
    ・指値オペ
    ・FOMC議事要旨
    ・要人発言

    ポンドマン
    下値を固めてきたから、下値辺りでドル円追加していきたいね!

    基本は買い目線。
    日銀は円安容認、緩和政策維持を発表したことと、貿易赤字による円安が進むのではないかと考えています。
    指値オペを実施したことでマーケットは日銀の緩和姿勢を再確認。
    対してFRBは年内毎回利上げを示唆し、QT(資産縮小)をスタートさせることからドル買いが進むのではないかと考えています。

    注意点としては円安が進みすぎたときに円安懸念発言が出てきた場合は円高がすすく可能性があるので注意。
    また、雇用統計でネガティブサプライズな結果が出てきた場合も一時ドル売りが進む可能性があります。
    円安が進みすぎている(スピード違反)の懸念も出てきているので、どこかで大きな調整売りが出てくる可能性には注意しておきたいと思います。
    まだポジションが持てていない人は120円台が下値ではないかと考えていているので、120円台もしくは121円前半は買い場だと考えています。

     

    ユーロドル

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・ウクライナ情勢
    ・要人発言
    ・ECB理事会議事要旨

    ポンドマン
    ユーロが下げたところは押し目買いチャンス!

    ユーロドルは買い目線。
    ドル買い・ユーロ買いでユーロドルはレンジになりやすいのではないかと考えています。
    ただ、中銀の金融政策の織り込みで言うとユーロの買いのほうが余地があるのではないかと考えます。
    ※FRBの利上げはだいぶ織り込まれているが、ECBの利上げはまだ本格的には織り込まれていない。
    今週発表のECB理事会議事要旨で、利上げの可能性が出てきた場合はユーロ買いが進む可能性がを考えています。
    ユーロを買うのであればユーロ円のほうが買いやすいと思います。
    ※円売り要因はドル円参照

    注意点としてはFOMC議事要旨でタカ派な内容が出てきた場合やECB理事会議事要旨でハト派内容が出てきた場合はユーロドルが下落する可能性が高いので注意。
    また、要人発言からAPP(資産購入プログラム)の継続や終了時期の後退などの内容が聞こえてきた場合もユーロ売りが進む可能性が高い。
    ウクライナ情勢の影響がどこまであるのか、発言やヘッドラインにも注目しておきたい。

     

    ポンド円

    スタンス:買い目線

    ポイント
    ・要人発言

    ポンドマン
    ポンド買いよりも円売りで上昇なので円安けん制発言には注意だね!

    ポンド円は円安要因で上昇しています。
    なので、極端なポンド売り要因が出てくるまではポンド円買い目線で考えています。
    ※円売り要因はドル円を参照

    ポンドはウクライナ情勢の影響で景気後退懸念が出てきたり、利上げの後退を匂わせる発言が出てきた場合はポンド売りが進む可能性があるので注意。
    また、円安けん制などが出てくると円高が進みポンド円が下落する可能性が高いので要注意です。

     

    ゴールド

    スタンス:買い目線

    ポイント:リスク要因・インフレ

    ポンドマン
    インフレヘッジのゴールド買いが優勢なので、下げたところを丁寧に拾っていきたい!
    地政学リスクによるゴールド買いは後退し今まで買われたゴールドが売られてきましたが、ゴールド売りは落ち着いています。
    ここからは地政学リスクよりも経済状況にマーケットの注目が移ってくると考えています。
    インフレが進むとインフレヘッジとしてのゴールド需要が高まり、ゴールドは底堅く推移すると考えています。
    また、引き締め政策は株価にとっては重しとなり、株式市場から債券市場やゴールドに資金が流れることが予想されます。
    また、ウクライナ情勢自体は材料視されにくくなってきているが、ウクライナ情勢を受けて進んだエネルギー価格の上昇や商品価格の上昇はすぐには戻りません。
    なので、世界的に物価上昇は続きスタグフレーションの懸念が続きます💦
    景気後退によるリスクオフが進む可能性があり、ゴールド買いが出てくる可能性は高いと考えています。
    債券市場を見ていても逆イールドの可能性が見えていることから、景気後退、世界恐慌の不安はゴールドを底堅く推移させるのではないかと考えています!
    逆イールドとは
    国債の利回りで短いもの(6か月や1年・2年など)から中長期(10年や30年など)の利回りを結んだ曲線。
    通常は短いものほど利回りは低く、中長期になるほど利回りは高く、右肩上がりの二次曲線を描きます。
    これが短いものと長いものの利回りが逆転して、右肩下がりになったり山型になったりすることを逆イールドと言い、景気後退のサインだと言われています。
    ゴールドの相関性
    ✔️金利との相関性
    金利上昇 → ゴールド売り

    金利低下 → ゴールド買い

    ✔️リスク要因との相関性
    リスクオン相場 → ゴールド売り
    リスクオフ相場 → ゴールド買い

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