バイデン大統領がロシアに制裁求め東欧リスク勃発!

みなさん、おはようございます!

この記事では、為替やゴールドの分析をファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの日々のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!

今週の分析記事をまだ見てない人はまずは週間分析記事から見ていただければと思います!

昨日の相場まとめ

昨日のポイント

  • RBA理事会で据え置きが発表
  • 米露首脳会談
  • 米豪が北京五輪を外交的ボイコット
  • 中国恒大集団がデフォルトか!?

昨日はRBA理事会(豪州金融政策発表)があり、政策金利・資産購入ともに据え置きが発表されました。
注目の声明文ではオミクロン株に一定の懸念は示しつつも、そこまで悲観的な内容ではありませんでした。
発表直後はオミクロン株に対する内容などから一旦は売りで反応しましたが、ハト派色の強いRBAからすると想定よりもタカ派だったことから豪ドルは買いで反応しています。

ポンドマン
マーケットのリスク要因はオミクロン株からロシアに移っているみたいだね!
バイデン大統領とプーチン大統領はオンラインで会談し、ウクライナ進攻について協議しましたが合意には至りませんでした。
バイデン大統領はロシアがウクライナに侵攻した場合は経済制裁を課すと伝え、米露首脳会談後にドイツやイタリアや英国といった西側の首脳と会談、ロシアへの制裁協力を求めています。
制裁の1つであるロシアからの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の停止を求めていることから、原油価格の上昇とユーロ売りに繋がっています。

ポンドマン
中国リスクも目が離せなくなってきたなぁ...!
ホワイトハウスは新疆ウイグル自治区の人権問題や台湾問題から、来年2月の北京冬季五輪を外交的ボイコットすると発表し、同盟国にも外交的ボイコットを求めました。
欧州など西側諸国は回答は避け検討中、豪州は外交的ボイコットを発表しています。
中国は当然反発しており、報復措置に関して触れています。
また、中国恒大集団の支払い期限ですが、支払いがされていないようです。
今日あたりデフォルト手続きに入るのではないかと見られています。

本日の注目経済指標

本日の指標

12月8日(水曜日)
17:15 EUR ラガルドECB総裁発言
17:25 EUR デギントスECB副総裁発言
22:10 EUR シュナーベルECB専務理事発言

12月9日(木曜日)
00:00 CAD カナダ中銀金融政策・声明文発表
00:30 USD 原油在庫量
03:00 USD 米10年債入札
07:00 AUD ロウRBA総裁発言
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)

本日の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

項目 長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(1週間〜1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオン リスクオン リスクオン
ドル円 上昇 レンジ 上昇
ユーロドル 下落 下落 下落
ポンド円 レンジ 上昇 底堅い
ゴールド 上昇 レンジ 底堅い
ダウ 上昇トレンド 上昇 上昇

それでは、本日のポイントについてみていきましょう!

本日のファンダメンタルズ注目点

本日のファンダメンタルズの注目ポイントを総まとめしてきます!

1)カナダ中銀政策発表

ポイント!


政策変更はあるのか?
来年の見通しは?

  • 英中銀の政策発表に注目!
  • 声明文に注目!

24:00 カナダ中銀(BOC)金融政策・声明文発表

✔️カナダ中銀(BOC)

注目度 高い
織り込み度 来年上半期での利上げをかなり織り込んでいる
バイアス カナダドル買い

ポイント:声明文で来年の利上げ見通し

カナダは主要産業である原油が価格上昇、先日発表された雇用統計もかなり強い結果が出てくるなど、経済状況はかなり改善している模様。
その上で、米国のテーパリング加速が噂されて早期の引き締めの可能性が出てきていることから、カナダ中銀も引き締めを加速させるのではないかと考えられています。

カナダ中銀は11月の政策発表でテーパリングが完了して次は来年の半ばでの利上げが期待されており、そこから利上げ時期が前倒しになるのではないかと第1四半期の利上げを織り込み始めています。
第1四半期の利上げに繋がるようなヒントが声明文から出てくればカナダドルは買われ、否定するような内容が出てくるとカナダドルは売られるのではないかと考えています。

1)リスク要因

ポイント!


ロシアなど東欧リスクは?
中国不動産デフォルトは?
中国の報復措置は?

  • 東欧リスクに注目!
  • 中国恒大集団のデフォルトに注目!
  • その他リスク要因に注目!

現在のマーケットは様子見ムードが強く、取引材料が少ないことからリスク要因に動かされることが多くなっています。
本日起こりそうなリスクは何なのか、リスク要因をしっかりと把握しておきましょう!

東欧リスク

ロシアリスク
ロシアはウクライナへの進攻を進めていて、欧米諸国が批判しています。
昨日の米露首脳会談(オンライン)でバイデン大統領がロシアのウクライナ進攻に対して経済制裁の可能性をロシアに伝えています。
また、バイデン大統領は西側諸国に対して、ロシアへの制裁に協力を求めています。

欧州はロシアに対して制裁を課していますが、同時に天然ガスをロシアから輸入している状況です。
ロシアからの天然ガスパイプラインの1つである「ノルドストリーム2」の認証作業を一時停止していますが、ロシアへの制裁と同時に欧州自身に対しても天然ガス価格の上昇というリスクに繋がっています

ポンドマン
東欧リスクが意識されてユーロが売られ始めたね!

 

中国リスク

昨日の支払いが確認できていないことから、中国恒大集団はデフォルト手続きに入るのではないかと考えられています。
ここからは中国国内にどこまで影響が出るのか?海外マーケットにどこまで影響があるのか?
リスクオフが進むのかに注目です。
特に人民元建て債務(中国国内向け)を優先に支払っており、ドル建て債務(海外向け)が支払われずデフォルトするのではないかと言われていることから海外で影響が出てくるのではないかと注目しています。

中国不動産バブル以外にも北京冬季五輪を巡る対立も気になります。
米国と豪州は外交的ボイコットを発表しており、中国は反発し報復措置を匂わせています。
その他欧米諸国も外交的ボイコットを検討している状況で、中国の挑発・報復行動に注目です。

また、中国では不動産バブルの崩壊とは別に、新型コロナウイルスの感染拡大懸念も出ています。
中国では新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」など感染が拡大しており、ロックダウンなど行動規制を強化している状況です。

中国不動産バブルの崩壊、中国人権問題(北京冬季五輪)、新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」など、中国リスクに注目です。

 

その他注目のリスク要因

新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」

オミクロン株の状況
日本や米国など世界的にオミクロン株感染者が発見されている状況。
欧州では過去最大の感染者数を更新するなど感染者数の増加が懸念されている状況です。
ファイザー、モデルナ、ビオンテックなど各製薬会社によって既存のワクチンの効果については見解が違うものの、ファイザーは来週にはウイルスの解析が終わり来年3月のワクチン供給との見通しを出しています。

今後のポイント
・オミクロン株の毒性

感染力は強いが毒性が弱い→重症化率が低いのでリスク要因としては後退
感染力が強く毒性も高強い→重症者が増えるリスクが高いのでリスク要因として材料視

・感染地域と感染拡大
感染地域が広がり、新たな地域でオミクロン株感染者が発見されたり、世界的に感染者数が増加して過去最大数の感染者となればリスク要因として材料視されます!

・新たな変異株
オミクロン株は変異が早く、新たな変異型が出てくる可能性が懸念されています。
また、オミクロン株ではない、新たな新型コロナウイルスの変異種が発見され、感染力が高いとわかるとリスク要因として材料視されると思います。

マーケットへの影響

リスクオフが進むと・・・
商品価格が下落→燃料資源や原材料資源の価格下落は物価下落の要因となり、各中銀の引き締め期待の後退に繋がります。
また、資源国通貨が売られ安全通貨の円やフランが買われ、安全資産んの金も買われやすくなる。
リスクオフが後退すると・・・
商品価格や株価の上昇→燃料資源や原材料資源の価格上昇は物価上昇の要因となり、各国中銀の引き締め期待に繋がります!
また、リスク資産の回に繋がり資源国通貨が買われ、安全資産である円やフランや金が売られやすくなる。

ポンドマン
リスク要因は新たなものが出続けないとリスクオフは後退します!

現在材料視されているリスク要因がなくならなくても、リスク要因をマーケットが織り込んでしまえばリスク要因として材料視されなくなり、リスクオフは後退していきます。
なのでリスクオフ相場が継続するためには、新たなリスク要因が出続けることが重要になります。
今週はマーケットのリスク要因を織り込むスピードと、新たなリスク要因が出てくるスピードのどちらが早いのかで、リスクオフが進むのか後退するのかが決まってくるのではないかと考えています。

 

ポーランドリスク
ポーランドとEUは司法権を巡り対立が続いています。
EUはポーランドに対して罰金の支払いを命じていますが、ポーランドは罰金の支払いを拒否しています。
このことから、EUはポーランドに対して支払うEU加盟国の分配金などの支払いを停止しています。

現状、ポーランドはEUに加盟していても分配金などを貰うことが出来ない状況なので、EUに加盟している旨味が少なく不満が溜まっている状況です。
このことからポーランド国内ではEUからの離脱の声が高まっており、ハンガリーも同調してきている状況です。
ポーランドでEUからの離脱が本格的に進み始めないか、ポーランドと欧州の対立に関するヘッドラインに注目です。

 

英欧リスク

英国と欧州の間では、現在も離脱協議が続いています。
離脱協議の中でも以下の2点に注目が集まっています。
欧州は離脱協議の一旦のゴールとしてクリスマスを考えていて、それまでに離脱協議が合意に至らなかった場合は合意なき離脱(離脱協定の破棄)の可能性が出てきます
合意なき離脱(離脱協定の破棄)はユーロにとってもポンドにとっても売り要因となり、世界的なリスク要因に繋がる可能性があります。

北アイルランド議定書の改定
2020年末で英国はEUから離脱しましたが、その際に離脱に関する協議の一つに北アイルランド議定書があります。
北アイルランド(英国領)とアイルランド(EU加盟国)の間には物理的な国境を設けず、関税や物の移動などについて取り決めたものです。
現在の取り決め内容に英国も欧州も納得しておらず、内容の改定について協議が続いています。

英仏漁業権問題
英国がEUに加盟している時は、欧州の国も英国領海で漁業をしていました。
ただ、英国がEUから離脱することで、英国は欧州各国による英国領海での漁業を禁止しました。
欧州各国は離脱協議で英国領海での漁業権を主張し、対立を続けています。
(離脱協定の中で英国も譲歩して、一定数の漁業に関して認めています)
なかでもフランスは英国領海での漁業権を主張しており、英国がこのまま拒否を続けるなら制裁措置を発動すると言っています。

 

トルコリラ

トルコは先週、2回の為替介入を行っています。
ただ、トルコリラの水準は最安値更新を続けています。
今週も為替介入を続ける可能性がありますが、トルコの外貨準備高(為替介入の原資)は少なく、為替介入には限界があります。
限界を迎えたときにリラ安が進み、暴落するのか?それとも政策金利の利上げに踏み切るのか注目です。
トルコリラが暴落して、トルコのデフォルトに繋がるのかにも注目です。
トルコリラ安が進めば、トルコ国債の償還・利払い額が増え、デフォルト懸念に繋がります
トルコがデフォルトした場合、トルコ国債を多く抱えている欧州の銀行に飛び火し、今度は欧州リスクに繋がってしまうので要注意です。

本日の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

買い目線2日〜1週間程度の目線

ポイント:リスク要因

ポンドマン
リスクオフは後退している感じだね!

基本は買い目線です。
下は112円で上は115円のレンジ相場だと考えています。
112円台から113円後半までは買い、114円後半は利確のイメージでいます。
特に新たなリスク要因が出てこなければ、リスクオフは後退してドル円は上昇していくと考えています。

なので、リスク要因が出てきた場合は下落に注意しておきたいと思います。
注意したいリスク要因はロシアと中国関連です。

 

ユーロドル

売り目線2日〜1週間程度の目線

ポイント:コロナ感染者・トルコリラ・東欧リスク

ポンドマン
ロシアリスクがユーロの重しになってる!

ユーロドルは売り目線です。
ロシアに対して制裁の一環としてノルドストリーム2の停止をもとめ

ユーロドルが上昇したところはチャンスだと考えて、売り上がっていきたいと思います。

注意点としては英欧リスクが解決、英国と欧州が離脱協議で合意したなどのヘッドラインが出てきた場合はユーロ買いが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

ポンド円

買い目線(様子見)(2日〜1週間程度の目線)

ポンドは買い目線で見ています。
昨日のブロードベントBOE副総裁の発言で、また少し利上げ期待が高まったことから、ポンドは来週の利上げ期待で動いています。
買いから入るように考えています。

また、クロス円ということでリスク要因には注意して、リスクオフが後退するポイントで買っていきたいと思っています。

 

ゴールド

ゴールド買い目線(2日〜1週間程度の目線)

ポイント:リスク要因

ポンドマン
リスクオフが後退するポイントで売りが進まなければ買いたいな!
米金利は低下しており、ゴールドは買われやすい状況だと考えています。
ただ、リスクオフが後退してもゴールドが下落しにくい場合は、ゴールド上昇圧力が強いと考えています。
ゴールドが下げ渋った場合は、買いたいと思います。
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