この記事では、原油とはなんなのか、原油と株価の相関はどうなっているのか、原油の価格がどんな理由で変動していくかという事を分かり易く解説しています。
今まで、「原油のトレードをした事がない」、「株は取引きした事あるけど、原油についてまでは考えた事がない」という人は是非読んでみてください!
原油には300種類以上ある?!
原油と言っても、実は300種類以上あります。一番聞いた事があるであろう原油、WTI(ニューヨークで取引が行われている)は日本に輸入されていません。このように原油はとれる国や産地、油田によって、その物理的、科学的な性質が異なり、これによって原油の名前を区別しています。
原油の価格は何で決まるの?
原油をトレードする上では、どんな要因が価格に影響を与えるのかという事を把握しておく必要があります。
原油価格に影響を与える要因は大きく分けて4つあります。
- 世界の石油生産量(需給)
- 米国の原油在庫状況
- 投機家の動向
- その他の要因
それでは具体的に説明していきます。
1世界の原油生産量
世界の原油生産量のシェアは1位アメリカ、2位サウジアラビア、3位ロシアという順になっております。サウジアラビアを始めとするOPECの生産量は全体の4割程度となっております。
非OPEC:ロシアを代表とする国々により構成されている。
OPECと非OPECで構成される組織をOPECプラスと言う。
かつてはサウジアラビアを始めとする中東地域が生産の中心でしたが、原油に代替するシェールオイル(シェールオイル革命)が出てきた事により、原油生産量のシェアはアメリカが1位となっています!
シェールオイル革命とは?
岩盤の中に染み込んでいる原油を採掘する技術の開発を成功させた事により、原油を中東からの輸入に頼っていた米国が、自国でまかなえるようになり、原油産出国になった。
かつてオイルショック時に原油価格を130%も値上げさせる程影響力を持っていたOPECですが、現在ではサウジアラビアを抜いて米国がシェア1位となっており、原油価格に対する影響は米国、OPEC、ロシアの三者が与えている現状になります。
fa-hand-o-down米国、OPEC、ロシアの原油に対する関係
かつては世界の原油供給の多くをOPECに加盟している国々(サウジアラビア)に依存していました。
その為、OPECは市場に出回る原油量を調節する事が容易だったんです。
原油を始めとするエネルギー資源の輸出が収入の多くを占めているOPECは収入を上げる為には何が出来るでしょうか?
原油価格を決定する要因は需要と供給です。OPEC側がコントロール出来るのは供給のみでエネルギーの需要は世界の経済動向に寄与してしまうのでコントロール不可です。
そこでOPECは収入を上げる為に原油の市場供給量をコントロールするようになります。
市場に供給できる原油量のほとんどがOPECの生産由来であった為、OPECが生産量を減らす事で市場への供給量を減らす事ができます。OPEC加盟国が協調して全体の生産量や国別に、生産量の上限を設定し需給調整を行うことにより原油価格を上昇させ、より多くの収益を上げる事を実現してきました。
ですが現在はOPECの石油生産量のシェアが4割程度に低下、アメリカ、ロシアのシェアが上昇し非OPECが大きな影響力を持つようになりました。
ここで一番問題になってくるのが、不況時です。
不況時は世界的に原油の消費量は減るので需要も落ちます。これまで、需要が落ちた際は、生産量を減らし供給量も減らす事で原油価格を上昇させて収益を保ってきましたが、OPECの生産量シェアが減少した事で簡単に世界への原油供給量を減らす事が出来なくなりました。
現在の原油をめぐる世界の関係
これまで米国は中東に原油生産を頼っていましたがシェールオイル革命により、自国でまかなえるようになり、石油産出国へと進化しました。これによりOPECは原油価格を自分たちで調整する事が出来なくなりました。そこで世界第3位の原油生産量を誇るロシアを代表とする非OPECとOPEC(OPECプラス)で協力する事で、原油価格を調整し、利益を守ろうとしています。
OPECとOPECプラスで減産をする事で価格を上げても、大きく原油価格が上昇しない限り、販売できる原油量も落ちるので利益は上がりません。一方でアメリカは減産する事がないので上昇した原油価格で今まで通りの量を売る事が出来る為、利益が伸びます。ここが減産を難しくる大きなポイントとなります。
2米国の原油在庫状況
米国は世界最大の原油消費国であるとともに、世界最大規模の生産国でもあることから、その消費と生産の動向は原油の価格形成に強い影響力を持っています。米国エネルギー情報局(EIA)が毎週水曜日に発表する原油在庫量を発表しており、原油在庫が増加すれば価格低下要因となり、減少すれば上昇要因となります。オイルショックを機に、IEA(国際エネルギー機構)は最低でも純輸入量の90日分の石油を備蓄する事を義務付けており、2019年12月時点では、かなりの備蓄量になっています。
現在の状況
トランプ大統領からバイデン大統領に代わり、原油の状況も代わりつつあります!
シェールオイルはコストが高く、トランプ政権は補助金出していました!
バイデンは原油や石炭など化石燃料反対派なので、今は米国のオイル産業は産油するのが苦しいはずです。
その為、コロナ後(マイナス価格)後はピーク時ほど産油量が戻ってません。
米国の産油量をチェックするのにいい指標「ベイカーヒューズ社リグカウント」があります。
リグは産油の機械と思ってもらえばよくて、この稼働数が産油量に繋がります。
これを見ると、米国の原油産油量が現状そこまで無いことがわかります。
米国は原油価格が上昇すると、困ります。それは何故でしょうか?
米国はインフレが進んでいる為、原油価格が上昇するとインフレが助長されます。
インフレを改善する為には、テーパリングや利上げの必要が出てくる為、バイデン大統領はOPECに増産してくれる様に頼んでいる程だそうです!
3投機家の動向
どの商品でもそうですが、投機家のポジション状況は商品価格に大きな影響を与えます。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI原油の建玉については、商品先物取引委員会(CFTC)が現地時間の毎週火曜日の取引終了後にNYMEXから報告されたものを集計し、毎週金曜日の取引終了後に発表しています。こちらから確認する事が出来ます。
4その他の要因
その他の要因としては、エネルギー全体の需給構造の変化や、原油採算価格算出のベースともなるドル、ユーロ、円の為替相場動向や金融動向、経済動向なども原油価格変動要因になります。好景気では企業は設備投資を進めるので原油の需要が高まります。また、国際的な政治情勢、地域紛争やテロなど、特に原油産油国の多くは、中東諸国、アフリカ、南米など、これら地域は歴史的に政治・宗教・民族問題が多くあり重要な価格変動要因の1つとなっております。
まとめ
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