【週間分析】雇用統計週!債務上限問題や中国リスクの総まとめ!!

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と来週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの来週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!

なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・FRB利上げ期待から米金利上昇
・自民党総裁選は岸田新総裁に決定
・中国恒大集団問題に続き電力問題浮上

ポンドマン
米金利の上昇とドル円のスピード感は凄かった!
FRBの年内テーパリングが確実視され、次の焦点である利上げも期待感が高まり、FOMC後から米金利は右肩上がりで上昇、ドル円も日米金利差の拡大から右肩上がりで上昇し、112円まで来ました。

週末にかけて債務上限問題によりデフォルト懸念から米金利が低下しました!この事で日米金利差は縮小しドル円は111円前半まで戻してきています。

日本では注目されていた自民党総裁選があり、岸田新総裁が誕生!!
海外の反応を見ると、「やはり派閥の理論で決定した」「変わらない政治」「安倍政権の踏襲」など批判的な評価も多く、総裁選では日経平均の売りが進む展開もありました💦
海外の売りが持ち込まれたとの話や、岸田新総裁は分離課税の増税や含み益に課税などに触れていることから、株価下落に繋がったのではないかとの話もあります。
中国恒大集団のデフォルト懸念問題は解決していないのですが、ある程度織り込まれたことから影響は後退♪
今週は中国恒大集団に替わり、中国の電力不足が注目されるようになりました。
電力不足は中国の製造業に影響し、中国の製造業PMIは好不況の分岐点「50」を割り込みました
電力不足を解消するため中国は石炭や天然ガスなどを購入していることから、資源価格の高騰に繋がっています💦
中国の電力不足問題は、中国のスタグフレーション懸念、また世界的にスタグフレーションの懸念に繋がりそうです。
スタグフレーションとは?!
景気後退していく局面でインフレが進む現象。
通常は景気が良くなっていくにつれて消費活動が盛んになり、物価が上昇していく。
スタグフレーションになると景気が後退して消費活動が控えられるのに、物価は上昇していくので、さらに消費活動が抑制され景気後退が進んでしまう。
※物価上昇を意味するインフレーションと景気停滞を意味するスタグネーションを組み合わせた造語

来週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオン リスクオフ リスクオン
ドル円 上昇 レンジ 底堅い
ユーロドル 下落 下落 下落
ポンド円 上昇 上昇 上昇
ゴールド レンジ 下落 上値重い
ダウ 上昇トレンド レンジ 上値重い

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

10月4日(月曜日)
中国市場休場(国慶節)
ユーロ圏財務相会合
OPECプラス会議
16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)
21:00 GBP ラムズデンBOE副総裁発言
21:30 CAD カナダ建築許可件数
23:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言(22年投票権)

10月5日(火曜日)
中国市場休場(国慶節)
09:30 AUD 豪小売売上高・貿易収支
12:30 AUD RBA理事会・金融政策・声明文発表
16:45 EUR イタリア総合・サービス業PMI(改定値)
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:30 USD 米貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数

10月6日(水曜日)
中国市場休場(国慶節)
EUサミット(欧州首脳会議)
10:00 NZD RBNZ理事会・金融政策・声明文発表
16:30 EUR ドイツ建設業PMI
17:30 GBP 英建設業PMI
18:00 EUR ユーロ圏小売売上高
21:15 USD ADP雇用統計
22:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
23:30 USD 原油在庫量

10月7日(木曜日)
中国市場休場(国慶節)
00:30 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
20:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
21:30 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
21:30 USD 米新規失業保険申請件数
22:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト、シュナーベルECB専務理事発言
23:00 CAD カナダIveyPMI

10月8日(金曜日)
00:45 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
01:00 CAD マックレムBOC総裁発言
10:45 CNY 財新サービス業PMI
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率

10月9日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

注目ポイント!

1)リスク要因

ポイント!

米国債のデフォルトリスクが進むのか?
中国恒大集団のデフォルトリスクは進むのか?
中国の電力不足の影響は?

  • 債務上限に関する議論に注目!
  • 中国恒大集団、傘下企業に関するヘッドラインに注目!
  • 中国電力不足が世界に影響!

2)金融政策発表

ポイント!

利上げは発表されるのか?
今後の政策見通しは?

  • RBNZ理事会の利上げに注目!
  • RBNZ理事会、RBA理事会の声明文に注目!

3)経済指標

ポイント!

指標結果により金融政策に影響するのか?

  • 雇用統計に注目!
  • ISM非製造業景況指数に注目

1)リスク要因

ポイント!

米国債のデフォルトリスクが進むのか?
中国恒大集団のデフォルトリスクは進むのか?
中国の電力不足の影響は?

  • 債務上限に関する議論に注目!
  • 中国恒大集団、傘下企業に関するヘッドラインに注目!
  • 中国電力不足が世界に影響

債務上限問題

ポンドマン
債務上限の問題が米金利に大きく影響しそう!

✔️現在の米国の状況

  • イエレン財務長官によれば10月中にも政府予算は底をつく(Xデーは28日との噂)
  • 政府予算が底をつけば政府機関のデフォルトに繋がる
  • 債務上限問題が遅れれば格下げの可能性に言及(格付け会社フィッチ)
  • 上院議会は民主党50名と共和党50名で議席数が拮抗しており、債務上限を駆け引き材料として予算協議をしている

先週、つなぎ予算が成立したことで政府機関の閉鎖は回避出来ました。ただ、債務上限問題は残っており、注目が債務上限問題に移っています。
つなぎ予算は成立しましたが12月3日までの暫定予算なので、本来の予算案である1兆ドル規模のインフラ投資法案と3.5兆ドルの大規模予算案の協議が始まっています。
共和党は1兆ドル規模のインフラ投資法案には一部理解を示していますが、3.5兆ドルの大規模予算案には反対、また財源として増税を考えていることにも反対しています。

共和党は3.5兆ドルの大規模予算案に反対する人質として債務上限の引き上げや適用の停止に反対しています。
要するに、予算案で共和党の意見をのんでくれたら、債務上限の引き上げを適用してあげるよって脅しをかけている感じです!
今週はこの駆け引きがどの方向に進んでいくのかに注目。議会の進む方向、進捗で金利や株価が大きく動くのではないかと考えています。

中国恒大集団リスク

ポンドマン
中国恒大集団はデフォルトリスクが継続、資金難から企業継続が難しくなっている!?

中国恒大集団は一部の利払いはされましたが、ドル建て債務など利払いを延期していることから、デフォルト懸念は依然として残っています。
また、資金調達に苦戦しており、賃金の未払いや営業の停止などに繋がっています💦
資金調達の問題は傘下の企業、関連企業にも影響しており、中国経済に大きな影響が出てきそうです。
中国恒大集団に関するヘッドラインに注目しましょう!

中国電力不足リスク

ポンドマン
中国は電力不足のほうが問題だね!

中国は恒大集団のデフォルトリスクよりも電力不足のほうが注目されています。
電力不足の要因と影響をまとめます!

電力不足の要因
・石炭不足など燃料資源不足による火力発電の低下
・脱炭素(カーボンニュートラル)政策による影響

石炭が不足する理由の一つに、豪州産の石炭輸入を停止。
中国は豪州に対しての報復措置として輸入を停止していたものの、自国に影響が出てしまっている。

電力不足の影響
・製造業など工場の停止
・計画停電などから経済の停止

電力不足の影響はすでに出ていて、先週発表の製造業PMIは好不況の「50」を割り込んで、今後の景気見通しはかなり悪くなっている。
一部の省では計画停電で、町ごと停電になりロウソクや懐中電灯で営業している様子も報道されています💦

 

中国の電力不足は海外にも影響します。世界的な影響と今後についてまとめてみます。

世界的な影響

・石炭価格や天然ガス、原油価格など燃料資源の価格が高騰
・中国製造業の低下で鉱物資源の価格が低下
・中国製造業が停止することで世界のサプライチェーンがボトルネックに

燃料資源の価格上昇は、世界の燃料コスト増に繋がってしまいます。
燃料コスト増は工場などを動かすコスト増に繋がり、運搬・配送のコスト増に繋がり、結果として製品価格の上昇に繋がります。
また、中国の製造業が停止すると、サプライチェーンのボトルネック(世界への部品供給低下)に繋がり、先進国などで完成品が作れない状況に繋がります💦

今後の懸念点
・スタグフレーション懸念

価格は上昇して、数も作れないと、企業の利益は少なくなり景気は後退。消費活動の低下にも繋がってしまいます。
コロナ禍経済とスタグフレーションの合わせ技で、世界恐慌の要因となるのではないかと予想しているところもあります。

中国の電力不足問題がどこまで大きくなっていくのか、世界的に影響した場合はどこまで株価に影響するのかしっかり注目しましょう!

2)金融政策

ポイント!

利上げは発表されるのか?
今後の政策見通しは?

  • RBNZ理事会の利上げに注目!
  • RBNZ理事会、RBA理事会の声明文に注目!

5日12:30 RBA理事会
6日10:00 RBNZ理事

✔️RBA理事会

ポンドマン
声明文が問題なければ無風通過の可能性もあるかな!?

 

注目点 やや低い
織り込み度 据え置きを織り込み済み
バイアス 特になし

ポイント:声明文から今後の金融政策に関するヒント探し

先月のRBA理事会で資産購入額を50億豪ドルから40億豪ドルに引締めたことで、今回の理事会では据え置きが発表されると予想しています。
なので、注目は声明文から今後の金融政策に関するヒントがないかに注目しています。現状、今の資産購入は来年の2月までなので、その後は引締めるのか?中国の景気後退などの影響などについて、どのように見ているのかに注目です!

✔️RBNZ理事会

ポンドマン
利上げの可能性があるから注目だね!
注目度 やや高い
織り込み度 利上げをやや織込んでいる
バイアス NZドルの上値やや重い

ポイント:利上げがあるのか?利上げ幅は?
     声明文で今後の金融政策についてのヒントを探る!

一時は年内0.5%の利上げが織り込まれていましたが、現在は利上げ期待が後退してきています
前回の理事会では利上げがかなりの確率で織り込まれていましたが、直前にコロナ感染者が確認されロックダウンに入ったことで利上げは延期。なので、今回は利上げするのではないかと予想されています。
コロナ感染者やロックダウンも問題ですが、ニュージーランドでは不動産バブル、不動産価格の高騰が問題になっています。
なので、今回利上げすると予想されていますが、利上げをした場合0.25%の利上げなのか、それとも0.5%の利上げなのかにも注目です!

また、声明文で今後も利上げを継続する可能性があるのか?中国経済の後退や、不動産バブルの影響など、ニュージーランドの経済についてどのように見ているのか、声明文の内容にも注目しています。

政策発表後、NZドルが上昇するのか?それともNZドルが下落するのか?値動きと政策内容が一致しているのか?
この3つに注目して、今後のNZドルの戦略を考えていきたいと思います。

ポンドマン
直前の予想や織り込み度、結果と解釈などはデイリー記事で書きますね!

3)経済指標

ポイント!

指標結果により金融政策に影響するのか?

  • 雇用統計に注目!
  • ISM非製造業景況指数に注目

✔️雇用統計
6日21:15 ADP雇用統計
8日21:30 NFP雇用統計・失業率・平均時給

ポイント:雇用者数がどこまで伸びることができるのか?時給がどこまで上昇するのか?

今回の雇用者数は失業給付も終わり、学校も新学期に入り、復職が進みやすい状況はそろっています。
懸念はコロナを警戒して、復職を考えている人がどのくらいいるのかです。雇用者数があまり伸びない場合は、今後の利上げ期待に影響すると思っています。※今回の結果で年内テーパリングが変わることはないと思います。

また、もう一つのポイントが平均時給です。
上記でも懸念しているように、コロナを警戒して復職を考えている人もいることから、企業や店舗は人材不足が問題になってきています。
求人数と求職者数のバランスが崩れており、賃金上昇に繋がるのではないかと注目しています。
給与の上昇はポジティブに感じますが、バランスが崩れての賃金上昇は人件費コストに繋がり、景気後退につながるので要注目です。

✔️ISM非製造業景況指数
5日23:00 ISM非製造業景況指数
ポイント:ピークアウトと人材不足

雇用統計でも触れましたが、人材不足はサービス業にも影響が出ているのではないかと注目されています。
影響が少なく、強い結果が出てくると利上げ期待に繋がり、金利が上昇するのではないかと考えています♪
ISM非製造業景況指数の結果から、金利がどこまで上昇するのか注目しましょう!

来週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・雇用統計
・ISM非製造業景況指数
・米金利
・米議会

ポンドマン
デフォルト懸念による金利の動きがポイントになりそう!

基本は押し目買い戦略!
ただ気をつけたいのはデフォルト懸念が高まったときのドル売りには注意しましょう!

経済指標の結果が強くても、弱くても、利上げ期待が変わらなければ、基本的には米金利は上昇し、日米金利差は拡大。
ドル円は上昇するのではないかと考えています。

ただ、デフォルト懸念が高まったときは一旦は金利低下、ドル売りで反応すると思い注意して見ています。
本格的にデフォルト懸念が高まり、格下げリスクに繋がったときは米国債売り・金利上昇から、ドル売りに繋がる可能性があるので注意してきたいと考えています。

ユーロドル

スタンス:売り目線

ポイント
・米金利
・要人発言
・ドイツ連立交渉

ポンドマン
ユーロ買いの先物ポジションは、ほぼ解消したね!

ユーロの材料はECBの金融政策スタンスとドイツ連立交渉です!

主要中銀の中で緩和政策姿勢を継続しているのはECBと日銀とスイスだけです。
スイスと日銀は安全通貨として買われることもありますが、ユーロは米ドルが売られるときしか外的要因で買われることがありません。
その米ドルは金利上昇からドル買いが進んでいることから、ユーロは相対的に売られやすくなっています。

また、ドイツ選挙後の連立交渉の状況に注目が集まっています。
連立交渉次第で、財政拡大方向に進めばドイツ金利上昇しユーロ買いに繋がる可能性はあります。
ただ、EU共同債の方向に進むと、緩和の拡大に繋がりユーロ売りが進む可能性があります。
すぐに結論が出るとは思いませんが、途中経過のヘッドラインでユーロが動く可能性があるので注意だけしておきたいと思います。

ポンド円

スタンス:買い目線

ポイント
・要人発言
・物価上昇
・英金利

ポンドマン
利上げ期待から英金利が上昇してる!

英金利が上昇しており、英中銀の利上げ期待は高まっています。
先週もベイリーBOE総裁は利上げについては発言しています。

また、英国でも燃料価格の上昇など物価高が懸念される展開となっており、利上げ期待はさらに高まっています。
金利が上昇して利上げ期待が高まるようであれば、ポンドは底堅く上昇していくのではないかと予想しています。

ゴールド

スタンス:売り目線

ポンドマン
債務上限と中国リスクがポイント!

✔️ゴールド上昇要因
・債務上限問題からリスクオフになり安全資産としてゴールド買い
・指標結果が弱く、米金利の低下
・中国景気後退懸念が後退し鉱物資源価格が上昇

✔️ゴールド下落要因
・FRBの利上げ期待による米金利上昇
・米デフォルト懸念の後退
・中国リスクが進み鉱物資源価格の下落

買い要因と売り要因、マーケットを挟んでの要因があるので組み合わせで日々変化する展開が予想されます。
中長期的には中国要因が強く意識され、売られていくのではないかと考えています。

今Hotな通貨!!

ユーロドルに注目!

ドル高が進む展開が続き、ユーロドルの下落が続くと考えています。

為替の中長期の方向性で財政政策と金融政策が大きなポイントとなります。
ECBとFRBのの金融政策に大きな方向性の違いがあります。
FRBはテーパリングから利上げ期待。
ECBは緩和政策の継続。
この政策に違いは長期通しをする、銀行などの大口取引に影響し、中長期でユーロドルは売られやすくなります。

先週、硬かった節目1.17ドルを割り込んだことから、下落トレンドは継続するのではないかと考え、大きく取れるポイントではないかと注目しています。

 

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