米国FOMC、0.5%利上げは織り込み済みか

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・RBA理事会で予想を上回る利上げ
・ECB理事会で利上げ示唆

・米CPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果
・米為替報告書発表
・円安が進み三者会談

RBA理事会で予想を上回る利上げ
7日に開催されたRBA理事会で、予想0.25%~0.4%の利上げを上回る0.5%の利上げを発表。インフレ抑制に取り組む中、一段の引き締めが必要となる可能性を示唆したことで、豪ドル買いが進み、豪ドル米ドルは0.7246ドルまで上昇し、豪ドル円も96.14円まで上昇した。ただ、5月から政権を担っている労働党のチャーマーズ財務相が「エネルギー価格を含め生活費が急騰している中で、住宅保有者にとっては難しいニュースだ」と述べたことで、政治的不安が進み豪ドルは反落する場面もあった。
ECB理事会で利上げ示唆
ECBは7月1日付けで資産購入プログラム(APP)の終了を決定し、7月会合で25ベーシスポイント(bp)利上げの意向、9月会合については中期的なインフレ見通し次第、その後も緩やかだが段階的な追加利上げが適切と発表。ECB理事会発表後は一時的にユーロ買いが進む場面があったが、そのあとは金融引き締めに伴うユーロ圏経済の成長鈍化を懸念したユーロ売りが優勢になり、目先のストップロスを誘発し、ユーロドルは一時1.0611ドルと5月23日以来の安値を更新した。
米CPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果
5月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、約40年ぶりの伸びを記録したことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化し、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.1761%前後と5月9日以来約1カ月ぶりの高水準を付け、ユーロ売り・ドル買いを促し、ユーロドルは一時1.0506ドルと5月19日以来の安値を更新した。
米為替報告書発表
米財務省は為替報告書を公表し、制裁の検討対象となる「為替操作国」への認定国・地域はなかったが、日本や中国、韓国など12カ国を通貨政策の「監視対象」に指定された。発表を受けてマーケットの反応は限定的。
円安が進み三者会談
ドル円が134円台に乗せるなど円安が進んだことで財務省・金融庁・日銀の三者会合が開催され、声明で「為替相場、急速な変動は望ましくない」などと発表されたことで円買いに反応し、神田財務官が最近の円安について“憂慮”というこれまで使わなかった文言で表現したことも円買いの追い風となり、ドル円は一時133.37円まで値を下げた。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオフ リスクオフ
ドル円 底堅い 底堅い 底堅い
ユーロドル 上値重い 上値重い 上値重い
ポンド円 レンジ 上値重い 上値重い
ゴールド 上昇 レンジ 底堅い
ダウ レンジ 上値重い 下落

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

6月13日(月曜日)
オーストラリア休場
15:00 GBP 英GDP
17:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁発言
20:00 EUR デギントスECB副総裁発言

6月14日(火曜日)
03:00 USD ブレイナードFRB副議長発言
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)

6月15日(水曜日)
02:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:15 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
21:30 USD 米小売売上高・ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
22:00 EUR パネッタECB専務理事発言
22:15 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
23:30 USD 原油在庫量

6月16日(木曜日)
01:00 EUR ラガルドECB総裁発言
03:00 USD FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート発表
03:30 USD パウエルFRB議長記者会見
07:45 NZD NZ四半期GDP
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
16:00 EUR ビスコ・イタリア中銀総裁発言
16:30 CHF スイス国立銀行政策金利発表
16:45 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
16:50 EUR バスレ・スロベニア中銀総裁発言
17:30 EUR デギントスECB副総裁発言
17:30 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見
18:30 EUR クノット・オランダ中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁発言
20:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分発表
21:30 USD 失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数

6月17日(金曜日)
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
17:30 GBP テンレイロBOE外部理事発言
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:45 USD パウエルFRB議長発言
23:30 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言

6月18日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

今週のファンダ分析のポイント

1)金融政策

ポイント!

今週の注目の金融政策は?

  • FOMCに注目!
  • 英中銀に注目!
  • 日銀金融政策決定会合に注目!
  • スイス国立銀行政策発表に注目!

今週は注目度の高い金融政策が発表されます。
金融政策のポイントなど以下にまとめました。

FOMC

16日03:00 FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート
16日03:30 パウエルFRB議長記者会見

注目度 かなり高い
織り込み度 0.5%利上げを織り込み済み
バイアス 特になし

ポイント:ドットチャートと9月利上げ

5月のFOMCで6月利上げ幅は0.5%と示唆していることから、0.5%利上げが既定路線となっています。
注目は9月のFOMCで利上げをするのか、利上げをするのであれば0.5%の利上げ幅になるのかに注目です。
利上げを進めるということになれば金利が上昇し、ドル買いが進む可能性がありますが、同時に引き締めによる景気後退が懸念され株売りドル売りが出てくる可能性もあります。
9月の利上げ判断はドットチャートや声明文、パウエルFRB議長の記者会見から確認したいと思います。
発表・記者会見の内容とマーケットの反応に注目したいと思います。

 

BOE(英中銀)

16日20:00 政策金利・声明文・MPC投票配分

注目度 高い
織り込み度 0.25%利上げ織り込み済み
バイアス ポンド上値重い

ポイント:利上げの継続と景気見通し

英中銀の注目する点は、このまま利上げを続けるのかと景気の見通しです。
物価高を抑える為に利上げを続けるのであれば、利上げによる景気後退の可能性が出てきます。
対して、景気後退を懸念して引き締めを後退させると物価高が続き、消費意欲を低下させてしまう可能性があります。
どちらを英中銀が選択するのか、英中銀の判断と景気見通しに注目です。
景気見通しが悪化するような内容であればポンド売りが進む可能性があるので注目しておきたいと思います。
利上げの見通しについては声明文やMPCメンバーの投票配分から確認したいと思います。

 

日銀金融政策決定会合

17日12時前後 政策金利・声明文
17日15:30 黒田日銀総裁記者会見

注目度 やや高い
織り込み度 現状維持を織り込み済み
バイアス 円安トレンド

ポイント:YCC(イールドカーブ・コントロール)の取り扱いと円安けん制

先週、円安が進み3者会合を開催しています。
今回の日銀金融政策決定会合で円安が進まないように牽制発言は出てくる可能性はありますが、具体策が出てくる可能性は低いと思っています。
ただ、YCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲットを0.25%から引き上げる可能性はゼロではないと注目しています。
仮にターゲットを引き上げた場合、円高に進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

スイス国立銀行政策発表

16日16:30 政策金利・声明文・MPC投票配分

注目度 普通
織り込み度 現状維持を織り込み済み
バイアス 特になし

ポイント:声明文と記者会見

スイス国立銀行は現状のマイナス金利政策を維持すると予想されています。
声明文や記者会見でも、スイスフラン高をけん制する発言が出てくると予想しています。
なので、特に予想外のことがなければ無風通過で終わると予想しています。
マイナス金利の解除など、予想外の内容が出てこないかだけ注意しておきたいと思います。

2)経済指標

ポイント!

今週の注目指標は?

  • 英雇用統計に注目!
  • NZ四半期GDPに注目!
  • 豪雇用統計に注目!

14日15:00 英雇用統計・失業率・平均賃金

雇用統計で注目したいのは、雇用状況よりも平均賃金です。
平均賃金が予想以上の結果となると、人件費の高騰から物価高に繋がり、景気後退懸念に繋がるのではないかと注目しています。
平均賃金の結果に対して、マーケットがどのような判断を下すのか、結果と値動きに注目です。

16日07:45 NZ四半期GDP

ニュージーランドは主要中銀の中でも大幅な利上げを行っています。
これだけの利上げを実施して、どこまで経済に影響が出ているのか?
また中国経済がどこまで影響を受けているのか?
四半期GDPの結果に注目です。
結果が良ければ、さらなる利上げの追い風になるのではないかと注目しています。

 

16日10:30 豪雇用統計・失業率・労働参加率

豪州の雇用統計で注目したいのは労働参加率です。
労働参加率が上昇している状況で、失業率が下がっているのかに注目です。
また、フルタイムの雇用が伸びているかにも注目です。

 

3)リスク要因

ポイント!

注意したいリスク要因は?

  • 要人発言に注目!
  • 円安に注目!
  • スタグフレーションに注目!

要人発言

先週ECB理事会が通過したことで、今週はECBメンバーの発言が多数出てきます。
7月理事会の利上げ幅について、年内の利上げについてどのような発言が出てくるのかに注目です。
また、引き締めを始めることで景気後退の懸念もあるので、景気見通しについても注目です。
週後半はFOMCや英中銀の発表後に、それぞれのメンバーからどのような発言が出てくるのかにも注目しておきたいと思います。

 

円安

先週は円安が進み、三者会合を開く展開となっています。
それでも、憂慮するとという新しい表現は出てきたものの、具体策は取れない状況です。
週末の日経新聞では、この状況でも介入を否定するなど口先介入も出てこない状況です。
今週もこのまま円安が進み、どこかのタイミングで円安クラッシュする可能性があるのではないかと注目しています。
また、一気に円安が進みすぎた場合に、口先介入などが出てくる可能性もあるので、基本は円安方向で見ておきながら急激な円高に注意しておきたいと思います。

 

スタグフレーション

各国中銀が引き締めを進めているものの、物価高た止まらない状況です。
物価高と景気後退が同時にきてスタグフレーション懸念が高まっています。
引き締めに関する発言が出てきたり、物価高に繋がるような指標が出てきたり、景気後退に繋がるような指標が出てきたりした場合はスタグフレーション懸念が高まり株価下落、リスクオフに繋がる可能性があるので注意しておきたいと思います。

今週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・FOMC
・日銀金融政策決定会合

ポンドマン
今の円安トレンドで値ごろ感の逆張りは危険!

基本は買い目線。
貿易赤字による円安目線は継続。

FOMCでは0.5%利上げは既定路線
先週のCPI(消費者物価指数)の予想を上回る結果から0.75%利上げや1.0%利上げ予想なども出始めています。
期待外れの結果となるとドル売りが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
ただ、それでも円安トレンドは変わらないと考えており、値ごろ感だけで逆張りするのは危険だと考えています。
下落したところは押し目と考えて、丁寧に拾っていきたいと思います。

日銀金融政策決定会合でYCC(イールドカーブ・コントロール)やマイナス金利の解除など、緩和政策からの転換という話になった場合は進んだ円安の巻き戻しがあるかもしれないので、日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁記者会見には注意しておきたいと思います。

 

ユーロドル

スタンス:売り目線

ポイント
・FOMC
・欧州経済

ポンドマン
欧州はスタグフレーション懸念の方が強いのか!?

ユーロは売り目線。

先週のECB理事会ではAPP(資産購入プログラム)の終了や7月利上げが示唆され、ECBのタカ派転換が発表されましたが、結果はユーロ売りとなりました。
引き締め政策による金利上昇よりも、引き締め政策による景気後退、スタグフレーション懸念の方が強く、マーケットはユーロ売りで反応した模様。
今週は理事会後で要人発言が多数予定されているので、タカ派の発言が出てきたときに、ユーロ売りが進む可能性があります。
景気後退を懸念する動きが続くようであればユーロは売り目線に転換した方が良いのではないかと考えています。

ポンド円

スタンス:売り目線

ポイント
・政治不安
・スタグフレーション
・金融政策発表

ポンドマン
来週、金融政策発表を控えていることから動きにくいなぁ!

ポンドは政治不安から売られやすくなっています。
ボリス・ジョンソン首相の辞任などのヘッドラインが出てくるとポンド売りが加速する可能性が高いので注目。

今週は英中銀の金融政策発表が控えています。
0.25%の利上げが予想されており、順当に利上げしてもポンド買いは進まないと考えています。
逆に景気を冷やし、ポンド売りが進むのではないかと考えています。

ただ、ポンド売りと同時に円売りも進むので、ポンド円は下落もしくはレンジになるのかもしれません。
ポンドを売る場合はポンドドルの方が良いのではないかと考えています。

 

ゴールド

スタンス:買い目線

ポイント:ドル安・株価下落

ポンドマン
ドル高一服でゴールドは上昇!?
各国中銀の過度な引き締め政策により景気後退懸念と株価下落のリスクが出てきています。
リスクオフによる安全資産としてのゴールド需要が高まると考えています。
また、FRBの過度な引き締めによる景気後退懸念のドル安要因でゴールドが上昇しています。
株価の動きとドルインデックスに注目して、下げたところを買っていきたいと考えています。
ゴールドの相関性
✔️金利との相関性
金利上昇 → ゴールド売り

金利低下 → ゴールド買い

✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い

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