みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と来週の相場のポイントをファンダメンタルズとテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの来週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!
先週の相場まとめ
・英雇用・物価指標が好調な結果でポンド上昇
・NZ準備銀行が2年先期待インフレを発表
・トルコ中銀が利下げしリラ安更新
・欧州リスクでユーロ下落
・原油価格が75ドル台まで下落
来週の相場見通し
まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。
長期(1カ月〜3ヶ月) | 中期(~1ヶ月) | 短期(~1週間) | |
相場全体 | リスクオン | リスクオフ | リスクオフ |
ドル円 | 上昇 | レンジ | 底堅い |
ユーロドル | 下落 | 下落 | 下落 |
ポンド円 | 上昇 | レンジ | 底堅い |
ゴールド | レンジ | 上昇 | 上昇 |
ダウ | 上昇トレンド | 上昇 | 底堅い |
それでは、今週のポイントについてみていきましょう!
今週のファンダメンタルズ注目点
11月22日(月曜日)
23:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
11月23日(火曜日)
00:00 USD 米中古住宅販売戸数
00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
01:30 USD 米2年債入札
03:00 USD 米5年債入札
17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
20:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言
23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
11月24日(水曜日)
03:00 USD 米7年債入札
03:00 CAD ポードリBOC副総裁発言
07:15 AUD ブロックRBA総裁補佐発言
10:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
11:00 NZD オアRBNZ総裁記者会見
18:00 EUR ドイツIFO景況指数
22:30 USD 米耐久財受注・7∼9月期GDP(改定値)・失業保険申請件数・PCEデフレーター
23:30 GBP テンレイロBOE外部理事発言
11月25日(木曜日)
米国休場(感謝祭)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数・新築住宅販売戸数
00:30 USD 原油在庫量
04:00 USD FOMC議事要旨
06:45 NZD NZ貿易収支
16:00 EUR ドイツ7∼9月期GDP(改定値)
21:00 MXN メキシコ7∼9月期GDP
22:30 EUR ラガルドECB総裁発言
11月26日(金曜日)
米国休場(感謝祭)(株式市場・債券市場・商品市場は短縮取引)
02:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
09:30 AUD 豪小売売上高
17:00 EUR ラガルドECB総裁発言
22:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
11月27日(土曜日)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
1)RBNZ理事会
利上げはあるのか?
来年の利上げ回数は?
- 政策発表に注目!
- 声明文・記者会見に注目!
24日10:00 RBNZ理事会・金融政策・声明文発表
24日11:00 オアRBNZ総裁記者会見
注目度 | 高い |
織り込み度 | 7割利上げを織り込み済み |
バイアス | 特になし |
ポイント:利上げ幅と来年の利上げ回数
RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は10月6日の理事会で利上げを発表し、コロナ後の世界的緩和政策から一早く利上げに踏み切りました。
そのRBNZは先週2年先期待インフレを目標2%に対して大きく上回る2.96%を発表し、利上げ期待が高まる結果となっています。
今回の理事会で追加利上げをするのか注目です。
また、来年の利上げ期待について声明文や記者会見でヒント探しも注目ポイントで、
来年の利上げ期待→ NZドルの買いに繋がるのではないか
据え置きだった場合→ 大きな下落に繋がる
のではないかと考えています!
2)経済指標
今週の注目指標は?
指標のポイントは?
- 製造業・サービス業・総合PMIに注目!
- PCEデフレーターに注目!
- FOMC議事要旨に注目!
✔️製造業・サービス業・総合PMI
23日 17:15 フランス製造業・サービス業・総合PMI
23日 17:30 ドイツ製造業・サービス業・総合PMI
23日 18:00 ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI
23日 18:30 英国製造業・サービス業・総合PMI
23日 23:45 米国製造業・サービス業・総合PMI
製造業やサービス業など業種別ごとや、全体を表す総合などが発表されます。
指数は「50」を中心に数字が上回ると景気が改善、数字が下回ると景気が悪化すると感じている企業が多いことになります。
PMIは今後の景況感を指数化したものなので、景気の転換点などで注目されることが多い指標です。
PMIはIHSマークイット社や米ISMが発表するのもが有名です。
今週はフランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国で製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。
全ての国で燃料価格や物価の上昇による消費の低下が懸念されており、半導体をはじめ供給不足から製造業への悪影響も懸念されている状況です。
欧州ではコロナ感染拡大によるロックダウンの再開など、景況感に悪影響が出るのではないかという状況で各国で悪材料が多いです。
また、今週は速報値なので予想と結果が大きくブレる可能性があるので注目しておきましょう!
✔️PCEデフレーター
24日 22:30 PCEデフレーター
個人の消費に、より注目した物価指標です。
PCEデフレーターは、
FRBは物価の上昇は一時的と説明しているにもかかわらず、PCEデフレーターの結果を見る限りでは物価の上昇は継続中です。
予想を上回る結果が出てくるようであれば、本格的に利上げの前倒し期待が高まりドル高が進むのではないかと考えています!
✔️FOMC議事要旨
25日 04:00 FOMC議事要旨
先日のFOMCでテーパリングを決定しました!
国債買い入れ100億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)50億ドル、合計150億ドルづつ減らしていきます。
FRBのQE(量的緩和)の額は1200億ドル(国債800億ドル、MBS400億ドル)なので、11月から始めると6月にテーパリングが完了する予定です。
FOMC議事要旨からは、テーパリングのスピードで速いスピードが検討されていたのか、加速を含めた調整が可能なのか、どのような議論がされたのかに注目したいと思います。
仮にテーパリングの額が月額200億ドルなど決定した数字よりも速いペースも検討されていたとわかった場合や、テーパリング加速の可能性にも触れていた場合は、利上げ前倒しの期待に繋がりドル買いが進むのではないかと考えています!
3)要人発言
今週の要人発言のポイントは?
- 英中銀(BOE)MPCメンバーに注目!
- ECB理事会メンバーに注目!
- FOMCメンバーに注目!
各中銀のポイントを把握して、誰の、どの発言が重要なのかを把握しよう!
✔️英中銀(BOE)MPCメンバー
23日 20:00 ハスケルBOE外部理事
24日 23:30 テンレイロBOE外部理事
26日 02:00 ベイリーBOE総裁
26日 22:00 ピルBOE主席エコノミスト
先日の英中銀(BOE)金融政策発表で予想外の据え置きが発表されました。
利上げに投票したのはラムズデンBOE副総裁とソーンダースBOE外部理事です。
先週は雇用統計や物価指標からは利上げには十分な結果が出てきています。
ラムズデンBOE副総裁やソーンダースBOE外部理事以外から利上げに前向きな発言が出てくれば、12月の利上げ期待が高まりポンド買いに繋がるのではないかと注目しています。
✔️ECB理事会メンバー
23日 23:00 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
25日 22:30 ラガルドECB総裁
26日 17:00 ラガルドECB総裁
来月12月にPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の見直しが予定されています。
来月の見直しのヒントに繋がるような発言が出てこないか注目です。
足元では天然ガスの高騰などからインフレが進んでいる一方で、コロナの感染拡大によるロックダウンの再開など懸念材料もあります。
状況 | 金融政策への影響 | 値動き |
インフレが進む状況 | 引き締め要因 | ユーロ買い |
ロックダウンなど | 緩和要因 | ユーロ売り |
ECBがどちらの方向に進むのか、発言から方向性を確認していきたいと思います。
✔️FOMCメンバー
今週はFOMCメンバーの発言は予定されていませんが、どこかで来年の利上げとテーパリングの加速についての発言が出てこないか注目しています!
先日の物価指標では31年ぶりの高水準となるなど物価が上昇しています。
今週発表される、FRBが最も重要視しているPCEデフレーターも先月以上に高い数字が予想されています。
これだけ高い物価の上昇は消費動向に影響が出て、景気の悪化が懸念される状況なので、一部のFOMCメンバーからはテーパリングの加速という発言も出てきています。
テーパリングの加速や利上げの前倒しについて発言が出てくると、ドル買いが進むのではないかと考えています。
4)リスク要因
現在のリスク要因は?
- 欧州vsベラルーシ・ロシア
- 欧州vs英国
- コロナ感染拡大リスク
- トルコリラ
- 中国リスク
- 米議会
- 為替報告書
先週はチラホラとリスクオフにマーケットが傾くことが出てきました。
今週もリスク要因が多く、リスクオフに傾くことが多いのではないかと考えています。
欧州vsベラルーシ・ロシア
天然ガスに注目
欧州は電力不足で火力発電に頼らざるを得ない状況ですが、環境問題を考えて石炭や原油を使いづらい状況です。
そこで天然ガスを使うのですが、天然ガスが足りない状況で、天然ガス価格が高騰しています。
この状況で欧州と、ロシアやベラルーシが対立しています。
ベラルーシは、移民・難民を盾に制裁解除を求めており、更には自国を通るガスパイプラインを止める可能性にも触れています。
また欧州はロシアからドイツに入るパイプライン「ノルドストリーム2」の承認作業を止める制裁を発表しています。
この状況が長く続くようであれば、天然ガス価格高騰が続き、経済や物価、ライフラインに大きく影響が出てくるのではないかと思います。
欧州、ベラルーシ、ロシアに関するヘッドラインに注目です。
英国vs欧州
北アイルランド議定書・英仏漁業権問題
解決に向かえば | ポンド買い |
決裂に関するような報道であれば | ポンド売り |
ただ、英国がEUから離脱することで、英国は欧州各国による英国領海での漁業を禁止しました。
欧州各国は離脱協議で英国領海での漁業権を主張し、対立を続けています。
(離脱協定の中で英国も譲歩して、一定数の漁業に関して認めています)
英仏の間で漁業権を巡り争いが勃発するリスクには注意しておきしょう!💦
コロナ感染拡大リスク
ロックダウンなど規制に注目
欧州や英国、米国、中国などコロナ感染が再拡大しています。
なかでも中国は来年2月の北京五輪を開催するため、コロナの封じ込めのために大規模なロックダウンを行っています。
中国がロックダウンで経済低下となるとオセアニアなどに影響し、サプライチェーンとして各国の供給不足にも繋がり大きく影響します。
欧州でもコロナ感染は拡大しており、ドイツはロックダウンを匂わせる状況、オーストリアはロックダウンを発表するなど、経済後退が懸念される状況です。
外出規制や移動規制が再開されると、経済活動の低下や景気悪化に繋がりリスクオフに繋がります。
トルコは先週利下げして、トルコリラ安が進み最安値の更新を継続しています。
そして、まだ利下げの可能性が残っている為、ジリジリとリラ安が進んでいます。
このままジリジリとリラ安が進むと、どこかのタイミングで堰を切ったように大きく下落、トルコリラクラッシュの再来も考えられます。
トルコがデフォルトすると、トルコ国債多く抱えている欧州の銀行に影響して連鎖倒産が懸念され、ユーロの重しになるので注目しています。
中国リスク
- 中国不動産バブルの崩壊
- 米中貿易摩擦
中国不動産バブルの崩壊
中国では先週、保証した理財商品の支払いを
今週10日には中国恒大集団の利払
不動産バブルの崩壊による中国景気後退に要注意です!
電力不足による景気後退
中国では電力不足による停電が頻繁に出てきています。
この停電が景気後退に繋がるのではないかと注目しています。
景気後退が確認されれば、株価下落に繋がり、リスクオフに繋がるのではないかと注目しています。
米議会
議会での採決に注目
米国ではバイデン大統領による次期FRB議長の指名に注目が集まっていますが、バイデン大統領が指名してもその後の議会での承認が必要になってきます。
この状況で、米議会は大規模予算案の採決や、債務上限引き上げの採決などが残っています。
週末には感謝祭でお休みということを考えると、時期FRB議長の指名をしても議会でなかなか採決できない状況になるのではないかと考えています。
時期FRB議長の採決を優先させた場合、予算案や債務上限の採決が遅れて、再度債務上限や予算の期限切れが懸念される展開となりリスクオフが進みそうです。
為替報告書
米中貿易摩擦に注目。
例年10月中旬に発表される為替報告書ですが、未だに発表されていません。
米国では過去最大の貿易赤字となっており、中国や日本に対して貿易不均衡を問題視されるのではないかと思います。
特に中国はトランプ政権時に結んだ第1弾通商合意も順守しておらず為替操作国として再度認定されるのではないかと注目しています。
為替操作国に認定した場合、通常は制裁関税なのでしょうが、物価高を懸念して関税に替わる制裁を課す可能性もあるので注目です。
来週の通貨毎の分析
本日も各通貨ペア毎に見ていきます!
ドル円
スタンス:買い目線
ポイント
・PCEデフレーター
・FOMC議事要旨
基本はドル円買い目線です!
113円台は買っていきたいと考えています。
上は今の所115円は超えられないと考えているので、114円後半では利益確定売りを考えています。
ポイントはPCEデフレーターが予想を上回るかです。
予想を上回れば利上げ前倒し期待に繋がり、ドル買いが進むのではないかと考えています。
もう一つ、FOMC議事要旨からテーパリングの加速や利上げの前倒しに繋がるヒントが出てこないかに注目しています。
ユーロドル
スタンス:売り目線
ポイント
・欧州リスク
・コロナ感染拡大
・リラクラッシュ
欧州は英国・ベラルーシ・ロシアと対立しており、特にベラルーシ・ロシアとの対立が問題になっています。
そのため、天然ガスの高騰など経済に影響が出ており、ユーロ売り要因となっています。
また、欧州ではコロナ感染拡大が進み、リスク要因となってユーロ売りに繋がっています。
その他、トルコリラがクラッシュした場合もユーロ売りが進むと考えています。
このようにユーロは売り要因ばかりなので売っていきたいのですが、調整のユーロ買いやスイスによる介入などには注意しておきたいと思います。
フラン高が対ユーロで進んでおり、スイスフラン売り・ユーロ買いの介入ポイントまで来ています!
介入が入るとユーロ買いが進む可能性があるので注意しておきましょう!
ポンド円
スタンス:買い目線
ポイント
・英仏漁業権
・要人発言
先週の雇用と物価指標が好調だったことから利上げ期待に注目が集まっています。
その事からポンドは底堅く上昇しています。
今週、要人発言から利上げに前向きな発言が出てくるともう一段のポンド上昇があるのではないかと考えています。
11月4日の英中銀(BOE)金融政策発表前の水準までは上昇するのではないかと考えています。
注意したいポイントは欧州との対立で、最悪の場合は離脱協定の破棄もあり得るのではないかと注意しています。
欧州との対立が問題視されてくるとポンドが売られるので要注意です。
ゴールド
スタンス:買い目線
米金利との相関で見ても、金利低下でゴールド上昇は良く反応しているのに、金利上昇でゴールド下落は反応が鈍いように感じます
このことからゴールドは上昇圧力が強いと考えています。
安全資産としてのゴールド上昇も追い風となるのではないかと考えています。
金利上昇 → ゴールド売り
金利低下 → ゴールド買い
✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い
✔️ゴールド上昇要因
・米金利の低下
・中国不動産バブルの崩壊
・弱い経済指標
✔️ゴールド下落要因
・要人発言等で米金利上昇
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