みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズとテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!
先週の相場まとめ
・RBA理事会はタカ・ハト入り混じる結果
・英中銀は0.25%の利上げ
・ECB理事会は引き締めに方針転換か!?
・サプライズの米雇用統計
・原油価格は2014年9月以来の高値
ただ、QEの終了は利上げを意味するものではないと、早期の利上げを否定しました。
QEの終了は事前に織り込まれ、早期利上げを期待していたマーケットは、理事会の発表を受けて豪ドル売りで反応しています。
MPCメンバーの投票配分は0.25%の利上げ5票、0.5%の利上げ4票と、0.5%の利上げの可能性もあったことにマーケットは反応し、発表後にポンドは上昇。
インフレーションレポートでも、インフレ見通しが上方修正されており、追加利上げ期待が高まったこともポンド上昇の要因となっています。
ただ、ベイリーBOE総裁の記者会見では一転、「金利が長期的に上昇すると推測するこ
事前予想では声明文で引き締めのヒントが出てくるのではないかと期待する部分もあったので、発表後は一旦ユーロの上値が重くなりました。
ただ、その後のラガルドECB総裁の記者会見で、ハト派の筆頭だと思われていたラガルドECB総裁がタカ派に転身。
記者からの年内利上げの可能性についての質問に否定しなかったことで、年内利上げの可能性が高まりユーロは急騰しました。
ECBの引き締め方針転換の可能性が高まったことで、ドイツの金利は上昇しマイナス圏からプラス圏へ、その他フランスやイタリア・スペイン・ギリシャなど、欧州各国の金利は急騰しています。
金利急騰を嫌気して欧州株価は下落しています。
結果は15.0万人予想に対して46.7万人と予想を大幅に上回りました。
しかも前回・前々回の雇用者数も合わせて70万人の上方修正されるなど、強い雇用状況、人手不足が確認されました。
注目されていた平均時給は予想5.2%に対して結果は5.7%、前回の4.7%から大きく上昇しており、人件費の高騰が確認されたことでインフレがまだまだ進み、FRBの引き締めが加速するとの観測に繋がり金利が急騰、米10年債利回りは一時1.9338%前後と2020年1
ただ実情は、現状の増産計画すら順守できていない(産油量が足りていない)国もあり、原油の供給不安から原油価格が高騰。
米中部・北東部が暴風雪に見舞
原油価格はじめエネルギー価格の上昇は物価上昇に繋がることから、原油価格の上昇はリスクとして注目されています。
今週の相場見通し
まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。
長期(1カ月〜3ヶ月) | 中期(~1ヶ月) | 短期(~1週間) | |
相場全体 | リスクオフ | リスクオフ | リスクオフ |
ドル円 | 上昇 | レンジ | 底堅い |
ユーロドル | 上昇 | 上昇 | 底堅い |
ポンド円 | 上昇 | 上昇 | 上昇 |
ゴールド | 上昇 | 上昇 | 底堅い |
ダウ | レンジ | 下落 | 下落 |
それでは、今週のポイントについてみていきましょう!
今週のファンダメンタルズ注目点
2月8日(火曜日)
00:45 EUR ラガルドECB総裁発言
05:00 USD 米消費者信用残高
11:15 NZD オアRBNZ総裁発言
22:30 USD 米貿易収支
22:30 CAD カナダ貿易収支
2月9日(水曜日)
02:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
03:00 USD 米3年債入札
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
22:10 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
2月10日(木曜日)
00:30 USD 原油在庫量
00:30 USD ボウマンFRB理事発言
02:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
02:00 CAD マックレムBOC総裁発言
03:00 USD 米10年債入札
21:00 EUR デギントスECB副総裁発言
21:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
22:15 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)・失業保険申請件数
2月11日(金曜日)
東京市場休場(建国記念日)
03:00 USD 米30年債入札
05:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
07:30 AUD ロウRBA総裁発言
16:00 GBP 英四半期GDP(10~12月期)(速報値)
17:05 EUR エルダーソンECB専務理事発言
2月12日(土曜日)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
今週のファンダ分析のポイント
1)経済指標・要人発言
米国の物価上昇は?
英米欧の引き締めは加速する?
- 米CPI(消費者物価指数)に注目!
- 英米欧の要人発言に注目!
経済指標
10日22:30 米CPI(消費者物価指数)
12日00:00 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
物価上昇が予想以上に進んでいた場合は、FRBの利上げやQT(資産縮小)が進む可能性があるのでマーケットの注目度が高くなっています。
また、原油価格は2014年9月以来の高値まで上昇するなど、エネルギー価格が上昇しています。
人件費やエネルギー価格の上昇は、コストとして商品価格に転嫁されるため物価上昇の要因となります。
今週発表の物価指標であるCPI(消費者物価指数)が予想を上回る可能性に繋がっており、注目度が高まっています。
今週発表の原油在庫量が予想以上に取り崩されていた場合は、さらなる原油価格上昇に繋がる可能性があるので注目しておきたいと思います。
物価の上昇が続き、消費意欲が低下した場合、物価上昇と景気後退が同時に起こるスタグフレーションに繋がる可能性が高まります。
今後の消費意欲を計る指標として、ミシガン大学消費者信頼感指数に注目しておきたいと思います。
ミシガン大学消費者信頼感指数が悪化していた場合は、本格的にスタグフレーション懸念が高まり株価下落などリスクオフが進む可能性があるので注目しています。
要人発言
10日02:00 メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
現在のFRB利上げ回数は5∼6回を織りこんでいます。
ここからさらに追加される可能性や、3月利上げが0.5%利上げになるような発言が出てくると金利が上昇しドル買いが進む可能性が高い。
また、QT(資産縮小)の開始を年半ばを織り込んでいますが、6月よりも早くスタートするような発言が出てくると金利上昇。
QT(資産縮小)のペースとしては3年∼5年でコロナ前の水準まで戻すペースが予想されていて、それ以上のペースでQT(資産縮小)を進めるような発言が出てくると金利が上昇すると考えられます。
欧要人発言
8日00:45 ラガルドECB総裁発言
10日21:00 デギントスECB副総裁発言
10日21:30 ビルロワ・フランス中銀総裁発言
10日22:15 レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
11日17:05 エルダーソンECB専務理事発言
今週はラガルドECB総裁とレーンECB専務理事兼主席エコノミストの発言に注目です。
先週、ECB理事会後の記者会見でハト派と思われていたラガルドECB総裁がタカ派に転じたことでユーロは急騰。
ECBが引き締め方針に転換するのではないかと注目を集めています。
以前より弁護士出身のラガルド総裁よりも、金融出身のレーンECB専務理事兼主席エコノミストの方が影の総裁として発言に注目が集まっていました。
レーンECB専務理事主席エコノミストが年内利上げの可能性に触れるのか、APP(資産購入プログラム)の買い入れ額縮小を早めるのか、発言内容に注目です。
また、その他ECB理事会メンバーの発言が多数予定されているので、発言内容と発言後の欧州の金利に注目です。
金利が上昇するようであればユーロ買いが進む可能性が高いと考え注目しています。
英要人発言
9日22:10 ピルBOE主席エコノミスト発言
11日05:15 ベイリーBOE総裁発言
英中銀は先週の政策発表で0.5%利上げに4人が投票しました。
0.5%利上げに票を投じたのはラムズデンBOE副総裁・ソーンダースBOE外部理事・ハスケルBOE外部理事・マンBOE外部理事の4名です。
今週予定されているピルBOE主席エコノミストやベイリーBOE総裁の発言から、利上げの加速に繋がるような発言が出てくるようであればポンドは上昇すると考えています。
発言内容と英金利に注目しておきたいと考えています。
2)リスク要因
現在のリスク要因は?
リスク要因による影響は?
日本は緩和政策を継続するのか?
- 東欧・中東に注目!
- 米株・米金利・コモディティに注目!
- 日本の金利に注目!
米ドル・米金利が中心のマーケットですが、それ以外でもリスク要因に左右される展開を予想しています。
リスク要因の中でも以下の2点に注目しています。
東欧・中東リスク
中東ではアラブ首長国連邦(UAE)でドローン攻撃が続いており、地政学リスクが高くなってきています。
また、イスラム国の指導者を襲撃したと米国が発表するなど中東リスクが高くなっていて、中東リスクの高まりは原油価格の上昇要因となっています。
東欧はウクライナに対するロシア進攻が進んでいます。
ロシアと中国は近づき、西側諸国はロシアと中国を批判、対立は激しくなってきています。
ロシアは欧州に対しガス供給を停止する可能性があり、欧州のガス価格が上昇しています。
米国や欧州はロシア以外からのガス供給策を調整している状況です。
米国はロシアをSWIFT(国際送金のネットワークシステム)から外す制裁を検討しているようです。
SWIFTから外されると国際送金・決済がほとんどできなくなり、資源の輸出が難しくなります。
また、米軍をウクライナに派遣するなど、緊迫した状況となっています。
欧州では今週、ドイツとフランスがウクライナとロシアを訪問予定、英国もロシアに対して経済制裁を準備、NATOも軍事強化を進めています。
今週もウクライナを巡るヘッドラインに要注目です。
エネルギー価格の上昇
ウクライナ情勢で天然ガスは高騰、中東リスクとOPECプラス閣僚級会合で増産計画の維持が発表され、産油国は増産計画を順守できていない(産油量が足りていない)状況から原油価格が上昇しています。
世界的に物価上昇が問題となりスタグフレーションも懸念される状況で、物価上昇の大きな要因となっているエネルギー価格の上昇に注目です。
天然ガス価格や原油価格がさらに上昇するようであれば物価高に繋がり、スタグフレーションの可能性が高まり、リスクオフに繋がる可能性があります。
エネルギー価格の上昇はリスク要因だと考えて、注目しておきたいと思います。
株価下落
世界的に引き締め観測が強くなり金利が上昇。
金利の上昇は株価の重しとなり、株価下落に繋がる可能性が高いです。
先週も欧州と英国の引き締め観測で欧州や英国の株価は下落しました。
今週も英米欧で引き締め観測が進み、金利が上昇したときは株価下落に繋がる可能性があるので注目です。
今週の通貨毎の分析
本日も各通貨ペア毎に見ていきます!
ドル円
スタンス:買い目線
ポイント
・米金利・株価
・CPI(消費者物価指数)
・日銀指値オペ
基本は買い目線。
物価上昇が問題となり利上げを急ぐと思われるFRBと、緩和姿勢を継続くする日銀の金利差拡大から円安が進む可能性が高いと考えています。
特に、日本の10年債利回りが0.2%に達したときに日銀が指値オペをするようであれば、さらに日米金利差が拡大しドル円は上昇するのではないかと考えます。
経済指標や要人発言から金利が上昇するのか要注目です。
注意しておきたいポイントはリスクオフです。
ウクライナ情勢や金利上昇による株価下落など、リスクオフが進んだ場合は円高が進む可能性があるので注意しておきたい。
ただ、円高が進んだ場合はドル円の買いチャンスとして買い下がっていきたいと考えています。
ユーロドル
スタンス:買い目線
ポイント
・欧州金利
・ウクライナ情勢
・要人発言
ユーロドルは買い目線。
先週のラガルドECB総裁の記者会見からユーロの潮目が変わったように感じます。
引き締め方針に期待が集まり、今まで売られていたユーロ売りポジションを踏み台にして上昇しています。
まだまだ売りポジションは残っていると思われ、ユーロの上昇余地は大きいと考えます。
ただ、FRBの引き締め期待による米ドル買いと、ECBの引き締め期待によるユーロ買いどちらも勢いを相殺してユーロドルの上昇ペースが遅くなる可能性があります。
なので、ユーロを買う場合はユーロ円のほうが上昇が早いのではないかと考えています。
注意点としてはウクライナ情勢や英国との離脱協議です。
北アイルランド議定書に関しては、2月末を一旦のゴールとして協議していますが、平行線をたどっており、白紙に戻すというリスクがあります。
ウクライナ情勢に関しては制裁リスクと軍事衝突リスクと2つあり、どちらも可能性が高まり逼迫した状況です。
2つのリスク要因が意識された場合はユーロが売られる可能性があり、どちらも長引く可能性があるのでリスク要因によるユーロ売りには気を付けておきたいと思います。
ポンド円
スタンス:買い目線
ポイント
・要人発言
・英GDP
ポンド円は買い目線で考えます。
先週の英中銀はタカ派とハト派の内容が入り混じる展開でしたが、まだまだ引き締め加速の可能性は残る内容だったので、要人発言に注目したいと思います。
要人発言から引き締めに繋がるような発言が出てくればポンド買いが進むと考えています。
また、主要中銀でスイスと日本だけが緩和姿勢を継続しており、地政学リスク(特にウクライナ情勢)で地理的に買われやすいスイスフランを除くと、日本だけが緩和政策をとっていて売り通貨の受け皿となり、円安が進む可能性が高いと考えます。
この2点から、ポンド円は買い目線の方が優勢ではないかと考えています。
なので、注意点としてはリスクオフです。
リスクオフが進んだ場合は円高が進みポンド円は下落する可能性が高い。
金利上昇による株価下落のようなリスクオフであれば買い下がってもいいかと考えますが、欧州との離脱協議の難航やウクライナ情勢の悪化によるリスクオフは長続きする可能性があるので撤退を検討しようかと考えています。
ゴールド
スタンス:売り目線(短期)
ポイント:リスク要因・金利
先週の雇用統計の結果も金利上昇の要因となっています。
このことから金利が上昇するタイミングを確認しながら、売りを検討したいと考えます。
金利とゴールドの相関を確認して、相関が崩れてくるようであれば長期の買いポジションを打診買いしていきたいと考えています。
金利上昇 → ゴールド売り
金利低下 → ゴールド買い
✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い
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