みなさん、おはようございます!
この記事では、為替やゴールドの分析をファンダメンタルズとテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの日々のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
今週の分析記事をまだ見てない人はまずは週間分析記事から見ていただければと思います!
- 中国恒大集団がデフォルト認定
- 来週のECB理事会で緩和期待
- 様子見ムードで小動き
昨日、格付け会社フィッチ・レーティングスは中国恒大集団の7日期限の支払いが確認が取れないということで、中国恒
中国恒大集団の格下げを受けてややリスクオフが進み円が買われ、クロス円は下落しています。
来週のECB理事会ではPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の見直しに注目が集まっていて、そのヒントがハト派色で出てきたことでユーロは売りで反応しています。
本日の注目経済指標
12月10日(金曜日)
16:00 GBP 英月次GDP
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:05 EUR ラガルドECB総裁、バイトマン・ドイツ連銀総裁、ビルロワ・フランス中銀総裁発言
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
23:40 EUR エルダーソンECB専務理事発言
12月11日(土曜日)
G7外相会合
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
本日の相場見通し
まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。
項目 | 長期(1カ月〜3ヶ月) | 中期(1週間〜1ヶ月) | 短期(~1週間) |
相場全体 | リスクオン | リスクオン | リスクオン |
ドル円 | 上昇 | レンジ | 底堅い |
ユーロドル | 下落 | 下落 | 上値重い |
ポンド円 | レンジ | 上昇 | 底堅い |
ゴールド | 上昇 | レンジ | 底堅い |
ダウ | 上昇トレンド | 上昇 | 上昇 |
それでは、本日のポイントについてみていきましょう!
本日のファンダメンタルズ注目点
本日のファンダメンタルズの注目ポイントを総まとめしてきます!
1)経済指標
米国の物価や景況感は?
英国の経済は?
- 米CPI(消費者物価指数)に注目!
- ミシガン大学消費者信頼感指数に注目!
- 英月次GDPに注目!
22:30 米CPI(消費者物価指数)
予想:前年比6.8%
ポイント:予想値を上回るのか?
米国では物価高が問題となっており、FRBも現在は雇用よりも物価高に注目しています。
本日発表のCPI(消費者物価指数)はPCEデフレーターと合わせて重要視されている経済指標です。
先月のCPI(消費者物価指数)は1990年11月以来の高水準となっていて、本日発表の予想は先月以上の数字となっています。
昨日バイデン大統領は最近の原油安は反映されていないと発言しており、予想を上回る布石ではないかと注目を集めています。
予想を上回った場合、利上げ時期の前倒し期待に影響するのではないかと思います。
24:00 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
予想:68.0
ポイント:予想を下回るのか?
今回は速報値なので予想と結果が乖離しやすいので注目。
先月のミシガン大学消費者信頼感指数は予想を下回り大きな値動きに繋がりました。
先月よりも低い数字が予想されている状況で、予想よりも弱い数字だった場合は今月も大きく動く可能性があるので注意しておきたいと思います。
予想よりも上回った場合は、あまり値動きに繋がらないかもしれません。
16:00 英月次GDP
予想:前月比0.4%
ポイント:マイナス成長になっていないか?
英国では感染者数が増えている状況で、昨日は行動規制が発表されています。
本日発表のGDPには行動規制は含まれていません。
予想より悪かった場合やマイナス成長だった場合は、行動規制が影響する来月はさらに悪い結果が出てくるとの懸念から悲観的な反応(ポンド売り)になるのではないかと考えています。
2)リスク要因
ロシアなど東欧リスクは?
リスク要因はあるのか?
- 東欧リスクに注目!
- その他リスク要因に注目!
本日は米指標がありますが、そこ以外は様子見ムードで動きづらい展開が予想されます。
様子見ムードで動きづらい展開の時はリスクオフで動くことが多いので、リスク要因は把握しておきましょう。
東欧リスク
ロシアリスク
ロシアはウクライナへの進攻を進めていて、欧米諸国が批判しています。
先日の米露首脳会談(オンライン)でバイデン大統領がロシアのウクライナ進攻に対して経済制裁の可能性をロシアに伝えています。
また、バイデン大統領は西側諸国に対して、ロシアへの制裁に協力を求めています。
欧州はロシアに対して制裁を課していますが、同時に天然ガスをロシアから輸入している状況です。
ロシアからの天然ガスパイプラインの1つである「ノルドストリーム2」の認証作業を一時停止していますが、ロシアへの制裁と同時に欧州自身に対しても天然ガス価格の上昇というリスクに繋がっています。
中国リスク
米国と豪州に加え、英国とカナダも外交的ボイコットを発表しており、中国は反発し報復措置を匂わせています。
その他欧米諸国も外交的ボイコットを検討している状況で、中国の挑発・報復行動に注目です。
中国では不動産バブルの崩壊、新型コロナウイルスの感染拡大懸念もあります。
先日、中国恒大集団の支払いは間に合わず、フィッチからは格下げされていることから、今後は他の格付け会社からも格下げされる可能性が高く、資金繰りはさらに厳しくなってくるかもしれません。
中国恒大集団の今後と、その影響が中国国内の経済にどこまで出てくるのか注目。
また、中国では新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」など感染が拡大しており、ロックダウンなど行動規制を強化している状況です。
中国不動産バブルの崩壊、中国人権問題(北京冬季五輪)、新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」など、中国リスクに注目です。
新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」
欧州では過去最大の感染者数を更新するなど感染者数の増加が懸念されている状況です。
米製薬会社ファイザーと独製薬会社ビオンテックは3回のワクチン接種で新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」に対しても高い効果が見られ、中和できるとの試験データを公表し、来年3月のワクチン供給との見通しを出しています。
今後のポイント
・オミクロン株の毒性
感染力は強いが毒性が弱い→重症化率が低いのでリスク要因としては後退
感染力が強く毒性も高強い→重症者が増えるリスクが高いのでリスク要因として材料視
・感染地域と感染拡大
感染地域が広がり、新たな地域でオミクロン株感染者が発見されたり、世界的に感染者数が増加して過去最大数の感染者となればリスク要因として材料視されます!
・新たな変異株
オミクロン株は変異が早く、新たな変異型が出てくる可能性が懸念されています。
また、オミクロン株ではない、新たな新型コロナウイルスの変異種が発見され、感染力が高いとわかるとリスク要因として材料視されると思います。
マーケットへの影響
また、資源国通貨が売られ安全通貨の円やフランが買われ、安全資産んの金も買われやすくなる。
また、リスク資産の回に繋がり資源国通貨が買われ、安全資産である円やフランや金が売られやすくなる。
現在材料視されているリスク要因がなくならなくても、リスク要因をマーケットが織り込んでしまえばリスク要因として材料視されなくなり、リスクオフは後退していきます。
なので、リスクオフ相場が継続するためには、新たなリスク要因が出続けることが重要になります。
今週はマーケットのリスク要因を織り込むスピードと、新たなリスク要因が出てくるスピードのどちらが早いのかで、リスクオフが進むのか後退するのかが決まってくるのではないかと考えています。
ポーランドリスク
ポーランドとEUは司法権を巡り対立が続いています。
EUはポーランドに対して罰金の支払いを命じていますが、ポーランドは罰金の支払いを拒否しています。
このことから、EUはポーランドに対して支払うEU加盟国の分配金などの支払いを停止しています。
現状、ポーランドはEUに加盟していても分配金などを貰うことが出来ない状況なので、EUに加盟している旨味が少なく不満が溜まっている状況です。
このことからポーランド国内ではEUからの離脱の声が高まっており、ハンガリーも同調してきている状況です。
ポーランドでEUからの離脱が本格的に進み始めないか、ポーランドと欧州の対立に関するヘッドラインに注目です。
英欧リスク
英国と欧州の間では、現在も離脱協議が続いています。
離脱協議の中でも以下の2点に注目が集まっています。
欧州は離脱協議の一旦のゴールとしてクリスマスを考えていて、それまでに離脱協議が合意に至らなかった場合は合意なき離脱(離脱協定の破棄)の可能性が出てきます。
合意なき離脱(離脱協定の破棄)はユーロにとってもポンドにとっても売り要因となり、世界的なリスク要因に繋がる可能性があります。
北アイルランド議定書の改定
2020年末で英国はEUから離脱しましたが、その際に離脱に関する協議の一つに北アイルランド議定書があります。
北アイルランド(英国領)とアイルランド(EU加盟国)の間には物理的な国境を設けず、関税や物の移動などについて取り決めたものです。
現在の取り決め内容に英国も欧州も納得しておらず、内容の改定について協議が続いています。
英仏漁業権問題
英国がEUに加盟している時は、欧州の国も英国領海で漁業をしていました。
ただ、英国がEUから離脱することで、英国は欧州各国による英国領海での漁業を禁止しました。
欧州各国は離脱協議で英国領海での漁業権を主張し、対立を続けています。
(離脱協定の中で英国も譲歩して、一定数の漁業に関して認めています)
なかでもフランスは英国領海での漁業権を主張しており、英国がこのまま拒否を続けるなら制裁措置を発動すると言っています。
トルコリラ
トルコは先週、2回の為替介入を行っています。
ただ、トルコリラの水準は最安値更新を続けています。
今週も為替介入を続ける可能性がありますが、トルコの外貨準備高(為替介入の原資)は少なく、為替介入には限界があります。
限界を迎えたときにリラ安が進み、暴落するのか?それとも政策金利の利上げに踏み切るのか注目です。
トルコリラが暴落して、トルコのデフォルトに繋がるのかにも注目です。
トルコリラ安が進めば、トルコ国債の償還・利払い額が増え、デフォルト懸念に繋がります。
トルコがデフォルトした場合、トルコ国債を多く抱えている欧州の銀行に飛び火し、今度は欧州リスクに繋がってしまうので要注意です。
本日の通貨毎の分析
本日も各通貨ペア毎に見ていきます!
ドル円
買い目線(2日〜1週間程度の目線)
ポイント:経済指標
基本は買い目線です。
経済指標の結果で下げたところを買いたい。
112円台で買っているポジションは一部決済して、指標を待ちたいと思います。
その後指標で下げた場合、再度買いポジションを持ちたいと考えています。
ユーロドル
売り目線(2日〜1週間程度の目線)
ポイント:米指標・東欧リスク
ユーロドルは売り目線です。
一旦売りポジションは一部決済して、米指標を待ちたいと思います。
指標結果で上昇した場合は、再度売りを仕掛けたいと思います。
注意点として英欧リスクが解決、英国と欧州が離脱協議で合意したなどのヘッドラインが出てきた場合はユーロ買いが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
ポンド円
買い目線(様子見)(2日〜1週間程度の目線)
ポンドは買い目線で見ています。
ただ、行動規制などからポンドの上値が重くなっています。
本日のGDPが予想よりも悪かった場合は、来月のGDPはさらに悪くなる可能性があり、ポンド売りが進む可能性があるので、買い目線を変更する可能性があります。
GDPの結果がマイナス成長になった場合は、売り目線に変更したいと思います。
ゴールド
ゴールド買い目線(2日〜1週間程度の目線)
ポイント:リスク要因・米指標
予想よりも良い結果が出てくるとゴールド売り、悪い結果が出てくるとゴールド買いとなります。
この通りにゴールドが動くのか確認したいと思います。
この通りに動かなかった場合は、ゴールドに圧力がかかっている可能性があるので注目したいと思います。
悪い結果 → ゴールドが買われない → ゴールド売り圧力 → ゴールド売り
ゴールドの相関性
米金利
金利上昇→ゴールド売り
金利低下→ゴールド買い
リスクオン・オフ相場
リスクオン相場→ゴールド売り