各国のPMIに注目!主要中銀による引き締め政策はいかに?

みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と今週の相場のポイントをファンダメンタルズテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。

みなさんの今週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!

先週の相場まとめ

先週のポイント

・FOMCは市場予想通り利上げ
・スイス国立銀行がサプライズ利上げ
・英中銀は0.25%の利上げを決定
・日銀は現状の金融政策を維持

FOMCは市場予想通り利上げ
FRBはFOMCで、FF金利の誘導目標を1.50-1.75%に引き上げることを決定(通常の3倍となる0.75%の大幅利上げは1994年11月以来27年半ぶり)
パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「0.75%の利上げが一般的になるとは予想しない」「7月会合では0.50%か0.75%の利上げが選択肢となる公算」と発言すると、米金利低下とドル安が進みドル円は一時133.51円まで下落。市場では「パウエルFRB議長の発言は警戒したほど今後の大幅利上げに前向きではなかった」と受け止められた模様。
スイス国立銀行がサプライズ利上げ
スイス国立銀行(中央銀行)は市場予想に反し、政策金利の中心値を従来の-0.75%から-0.25%に引き上げ、0.5%の利上げ実施を決定した。スイス中銀は声明で「インフレを安定させるため、当面は政策金利の更なる引き上げが必要となる可能性を否定せず」と言及するなど、今後の追加利上げの可能性も示唆するとスイスフランは急ピッチで買いが進み、ユーロCHFは4月19日以来の安値となる1.0169CHFまでユーロ安・CHF高が進行した。
英中銀は0.25%の利上げを決定
英中銀金融政策委員会(MPC)は、市場予想通りに政策金利を0.25%の利上げを実施し、現行の1.00%から1.25%に引き上げた。MPC議事要旨では9人のメンバーのうちソーンダースBOE外部理事・ハスケルBOE外部理事・マンBOE外部理事の3人が0.50%の利上げを支持していたことが明らかになったほか、「より持続的なインフレの兆候を特に警戒し、必要であればインフレに対して力強く行動する」との見解が示された。
日銀は現状の金融政策を維持
日銀金融政策決定会合で「金融政策の現状維持を決定。マイナス金利を -0.1%に維持。10年物国債金利0.25%での指し値オペ、明らかに応札が見込まれない場合除き毎営業日実施」と表明した。市場では前日のスイス国立銀行サプライズ利上げを受けて日銀も政策変更するのではないかとの期待が高まっていただけに、緩和政策を維持する発表を受けて円安が進んだ。黒田日銀総裁は記者会見で「最近の急激な円安は経済にとってマイナス」と言及したものの、現状の大規模金融緩和政策を継続する方針を改めて示し、発言を受けて市場は円売りを加速させた。

今週の相場見通し

まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。

長期(1カ月〜3ヶ月) 中期(~1ヶ月) 短期(~1週間)
相場全体 リスクオフ リスクオフ リスクオフ
ドル円 底堅い 底堅い 上昇
ユーロドル 上値重い 上値重い 上値重い
ポンド円 レンジ レンジ レンジ
ゴールド 上昇 レンジ 底堅い
ダウ レンジ 上値重い 下落

それでは、今週のポイントについてみていきましょう!

今週のファンダメンタルズ注目点

今週の注目指標

6月20日(月曜日)
米国休場(ジューンティーンス独立記念日の振替休日)
08:10 AUD ロウRBA総裁発言
16:00 EUR ミュラー・エストニア中銀総裁発言
17:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言
22:00 GBP マンBOE外部理事発言
22:00 EUR ラガルドECB総裁発言

6月21日(火曜日)
01:45 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
04:30 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
09:00 AUD ロウRBA総裁発言
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
16:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言
21:15 GBP テンレイロBOE外部理事発言
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:00 USD 米中古住宅販売戸数

6月22日(水曜日)
01:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
04:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
07:45 NZD NZ貿易収支
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:40 GBP カンリフBOE副総裁発言
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言)

6月23日(木曜日)
EU首脳会議
01:50 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言
02:00 USD 米20年債入札
02:30 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米失業保険申請件数
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 USD パウエルFRB議長発言(米下院金融サービス委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言)

6月24日(金曜日)
EU首脳会議
00:00 USD 原油在庫量
03:00 MXN メキシコ政策金利発表
08:50 JPY 日CPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英小売売上高
17:00 EUR ドイツIFO景況指数
20:30 AUD ロウRBA総裁発言
22:45 GBP ハスケルBOE外部理事発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・新築住宅販売戸数

6月25日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

6月26日(日曜日)
G7首脳会議(独南部エルマウ城、28日まで)

今週のファンダ分析のポイント

1)経済指標

ポイント!

欧米の景況感は?
英国・カナダの物価は?

  • 製造業・サービス業・総合PMIに注目!
  • 英CPI(消費者物価指数)に注目!
  • カナダCPI(消費者物価指数)に注目!

主要中銀が引き締め政策を進めることでマーケットに大きな影響が出ています。
主要中銀の政策判断に影響する経済指標などもあるのでポイントをまとめてみました。

製造業・サービス業・総合PMI

23日16:15 フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23日16:30 ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23日17:00 ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23日17:30 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23日22:45 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

主要中銀による引き締め政策による景気後退懸念に注目が集まっています。
引き締め政策や物価高の影響でどこまで景気見通しが下がっているのか?
「50」を割り込むような不景気見通しが出てくるのか?
「50」を割り込まなくても予想を大きく下回るような結果が出てくるようであれば、スタグフレーション懸念が高まり株価は下落し、リスクオフが進む可能性が高くなるのではないかと注目しています。

PMI(購買担当者景気指数)とは
企業の購買担当者(購買担当者は仕入れをするために景気に敏感)に景況感(今後の景気をどのように見通しているか)のアンケートをとり集計し指数化したもの。「50」を好不況の境目として、「50」を下回ると不景気を見通しており、「50」を上回ると好景気を見通している。PMIは実際の経済のデータを集計したものではなく景況感を集計したものなので、景気の転換期などに注目されやすい指標。

 

22日15:00 英CPI(消費者物価指数)

英中銀は先週の金融政策発表で0.25%の利上げを発表しました。
6名中3名が0.5%利上げを支持するなど、大幅利上げの可能性もありました。
今週のCPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果となれば、0.5%利上げが正解だったとなり次回大幅利上げ期待に繋がる可能性があるので注目です。

 

22日21:30 カナダCPI(消費者物価指数)

先週のFOMCで米国は0.75%の利上げを発表、カナダも米国に続き大幅利上げを実施するのではないかと注目が集まっています。
今週発表されるカナダCPI(消費者物価指数)の結果が予想を上回れば、カナダも米国に続き0.75%の利上げの可能性が高くなるのではないかと注目しています。

2)金融政策

ポイント!

今週の注目の金融政策は?

  • RBA理事会議事要旨に注目!
  • トルコ政策金利発表に注目!
  • 要人発言に注目!

21日10:30 RBA理事会議事要旨

6月のRBA理事会では市場予想を上回り0.5%の利上げを実施しています。
理事会でどのような議論がされたのか、来月の理事会でも継続利上げが行われるのか、物価や景気見通しをどのように見ているのか、理事会の議事要旨に注目です。
景気見通しが順調だったり、これから引き締めを急がないといった内容であった場合は豪ドルが底堅く推移するのではないかと注目しています。

23日20:00 トルコ政策金利発表

世界的に物価高で引き締め政策、世界的に利上げを進めている状況です。
エルドアン大統領は物価高でも利下げ圧力を強め、トルコ中銀は圧力に負け利下げをしてきました。
トルコの政策発表で利上げすることができるのか、それとも据え置きなのか注目です。
もし、利下げなんてことがあればトルコリラは大きく売られるのではないかと注目しています。
トルコのクラッシュは地理的に近い欧州・ユーロに影響します。

 

要人発言

先週、先々週と金融政策発表ラッシュが通過しました。
今週は金融政策発表の内容について各国中銀のメンバーがどのように発言するのか、発表内容と違った見解を持っているのかなど要人発言に注目です。
要人発言からさらに大幅な利上げの可能性が出てくるようであれば、スタグフレーション懸念が高まり株価下落に繋がる可能性があります。

また、今週は半期に一度のパウエルFRB議長の議会証言があります。
物価高や0.75%の利上げについての質疑も出てくると思います。
発言内容と金利と株価の動きに注目です。

3)リスク要因

ポイント!

注意したいリスク要因は?

  • 英政治リスクに注目!
  • 円安リスクに注目!
  • 株安リスクに注目!

英政治リスク

英国では北アイルランド議定書の変更について法案が出ています。
この法案が通過することとなれば、EUは反発することとなり貿易に混乱が出る可能性があります。
また、スコットランド自治政府は独立に向けて住民投票の再実施に向けて動いています。
ジョンソン首相の支持率低下と併せて、英国の政治リスクが高まっているので注意しておきたいと思っています。

円安リスク

主要中銀が利上げに動く中、日銀は緩和政策を継続すると発表
金利差拡大による円安が進んでいます。
世界的に金利が上昇すると日本の金利も上昇し、日本の金利が上昇した場合は指値オペにより再度円安が進む可能性が高いのではないかと思います。
このまま円安が進んでさらに安値を更新するのか、それともどこかの水準で牽制発言が出てくるのか、円安動向に注目です。

 

株安リスク

世界的に引き締めが進むことで景気後退が懸念されています。
要人発言や経済指標などから金利が上昇したり、物価が上昇したりするとスタグフレーション懸念が高まり株価下落に繋がります。
また、株価下落が節目を割り込むとストップを巻き込みながら下落する可能性もあります。
株価下落が連鎖して世界恐慌に繋がる可能性も懸念されています。
株価の動きに注目しておきたいと思います。

今週の通貨毎の分析

本日も各通貨ペア毎に見ていきます!

ドル円

スタンス:買い目線

ポイント
・パウエルFRB議長の議会証言
・米製造業・サービス業・総合PMI
・要人発言

ポンドマン
今の円安トレンドで値ごろ感の逆張りは危険!

基本は買い目線。
貿易赤字による円安目線は継続。

米国は0.75%の利上げを実施し、7月のFOMCでも0.75%利上げの可能性も高くなってきています。
対して日銀は緩和政策の維持を発表しました。
日米の金利差拡大によりドル円は底堅く推移すると考えています。
リスクオフによる円高が進む場面があると思いますが、押し目と考えて拾っていきたいと思います。

ユーロドル

スタンス:売り目線

ポイント
・フランス議会選挙
・製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
・要人発言

ポンドマン
スタグフレーション懸念と政治リスクでユーロの上値は重い!

ユーロは売り目線。

フランスでは議会選挙が実施され与党が大敗、過半数の議席を維持できませんでした。
このことでフランスには政治不安が出てくると思います。
ユーロ圏でフランスの役割は大きく、フランスの政治不安はユーロ圏の政治不安の繋がる可能性があります。
また、英国では北アイルランド議定書の変更法案が議論されています。
北アイルランド議定書の変更となれば英国と欧州の貿易問題となり、ユーロ圏にも影響が出てきます。

この他にも物価高やECBの引き締め政策による景気後退が懸念されています。
欧州の製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が予想よりも弱い結果が出てくると景気後退が意識され、ユーロの上値を抑えると考えています。

 

ポンド円

スタンス:売り目線

ポイント
・政治不安
・スタグフレーション
・株価下落
・要人発言

ポンドマン
世界恐慌の懸念が出てきているからリスクオフが進みゴールド需要が増加!

ポンドは政治不安から売られやすくなっています。
北アイルランド議定書の変更法案が議会で議論されています。
北アイルランド議定書の変更法案が通過し、一方的に変更した場合は欧州からの反発が予想されます。
また、ジョンソン首相の支持率も低下し、政治不安が継続しています。

政治不安だけでなく物価高による景気後退が懸念されています。
今週発表のCPI(消費者物価指数)が予想以上の結果が出てくると景気後退が意識され株価下落、ポンド売りに繋がるのではないかと考えています。

円安が進むことを考えるとポンドを売る場合は対ドルで売ったほうが効率的ではないかと考えています。

 

ゴールド

スタンス:買い目線

ポイント:ドル安・株価下落

ポンドマン
ドル高一服でゴールドは上昇!?
各国中銀の過度な引き締め政策により景気後退懸念と株価下落のリスクが出てきています。
リスクオフによる安全資産としてのゴールド需要が高まると考えています。
また、FRBの過度な引き締めによる景気後退懸念のドル安要因でゴールドが上昇しています。
株価の動きとドルインデックスに注目して、下げたところを買っていきたいと考えています。
ゴールドの相関性
✔️金利との相関性
金利上昇 → ゴールド売り

金利低下 → ゴールド買い

✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い

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