みなさん、お疲れ様です!
この記事では、先週の相場分析と来週の相場のポイントをファンダメンタルズとテクニカルの両方の観点から考察をした記事になります。
みなさんの来週のトレードの手掛かりに少しでもなれば嬉しいです!
なにか疑問点や質問等がありましたら、無料で入れる「Poundman Trade Information」にて聞いて頂ければお答えします!
先週の相場まとめ
・オミクロン株によるリスクオフ
・パウエルFRB議長が議会証言でタカ発言
・雇用統計が予想外の弱い結果に
・トルコ中銀が為替介入
- オミクロン株は日本やオーストラリアなど世界的に感染者が発見
- 渡航制限やロックダウンなどが発表されるなど行動制限が経済停滞に繋がり株価は下落
- 経済停滞から需要の低下懸念から資源価格は下落
- 資源国通貨が売られ円やフランが買われる
- 債券市場に資金が集中する
このような流れからリスクオフ相場へ傾いています。
「インフレ高進のリスクは高まった」「インフレの高まりが一
来週の相場見通し
まずは、長期、中期、短期の方向性を再確認していきます。
長期(1カ月〜3ヶ月) | 中期(~1ヶ月) | 短期(~1週間) | |
相場全体 | リスクオン | リスクオフ | リスクオフ |
ドル円 | 上昇 | レンジ | 上値重い |
ユーロドル | 下落 | 下落 | 上値重い |
ポンド円 | 上昇 | レンジ | 上値重い |
ゴールド | レンジ | 上昇 | 底堅い |
ダウ | 上昇トレンド | 上昇 | 上値重い |
それでは、今週のポイントについてみていきましょう!
今週のファンダメンタルズ注目点
12月6日(月曜日)
ユーロ圏財務相会合
18:30 GBP 英建設業PMI
20:30 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
12月7日(火曜日)
12:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
19:00 EUR ドイツZEW景況感指数
19:00 EUR ユーロ圏7∼9月期GDP(改定値)・ZEW景況感指数
22:30 USD 米貿易収支
22:30 CAD カナダ貿易収支
12月8日(水曜日)
00:00 CAD カナダIveyPMI
08:50 JPY 日本7∼9月期GDP(改定値)
12月9日(木曜日)
00:00 CAD カナダ中銀金融政策・声明文発表
00:30 USD 原油在庫量
03:00 USD 米10年債入札
07:00 AUD ロウRBA総裁発言
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
22:30 USD 失業保険申請件数
12月10日(金曜日)
03:00 USD 米30年債入札
16:00 GBP 英月次GDP
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
12月11日(土曜日)
G7外相会合
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
1)リスク要因
現在のリスク要因は?
- 新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」
- 東欧リスク
- 英欧リスク
- トルコリラ
- 中国リスク
今週は豪州やカナダで金融政策の発表が予定されていますが、それ以外は米国のCPI(消費者物価指数)発表くらいしか取引材料がありません。
来週に米国や欧州、英国金融政策発表を控えてブラックアウト期間に入っていることから要人発言もほとんどありません。
このことから、今週は様子見ムードかリスク要因によるリスク相場のどちらかになるのではないかと考えています。
そのため、材料視されそうなリスク要因は把握しておきたいと思います。
新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」
欧州では過去最大の感染者数を更新するなど感染者数の増加が懸念されている状況です。
ファイザー、モデルナ、ビオンテックなど各製薬会社によって既存のワクチンの効果については見解が違うものの、ファイザーは来週にはウイルスの解析が終わり来年3月のワクチン供給との見通しを出しています。
今後のポイント
・オミクロン株の毒性
感染力は強いが毒性が弱い→重症化率が低いのでリスク要因としては後退
感染力が強く毒性も高強い→重症者が増えるリスクが高いのでリスク要因として材料視
・感染地域と感染拡大
感染地域が広がり、新たな地域でオミクロン株感染者が発見されたり、世界的に感染者数が増加して過去最大数の感染者となればリスク要因として材料視されます!
・新たな変異株
オミクロン株は変異が早く、新たな変異型が出てくる可能性が懸念されています。
また、オミクロン株ではない、新たな新型コロナウイルスの変異種が発見され、感染力が高いとわかるとリスク要因として材料視されると思います。
マーケットへの影響
また、資源国通貨が売られ安全通貨の円やフランが買われ、安全資産んの金も買われやすくなる。
また、リスク資産の回に繋がり資源国通貨が買われ、安全資産である円やフランや金が売られやすくなる。
現在材料視されているリスク要因がなくならなくても、リスク要因をマーケットが織り込んでしまえばリスク要因として材料視されなくなり、リスクオフは後退していきます。
なので、リスクオフ相場が継続するためには、新たなリスク要因が出続けることが重要になります。
今週はマーケットのリスク要因を織り込むスピードと、新たなリスク要因が出てくるスピードのどちらが早いのかで、リスクオフが進むのか後退するのかが決まってくるのではないかと考えています。
東欧リスク
ロシアリスク
ロシアはウクライナへの進攻を進めていて、欧米諸国が批判しています。
今週7日には米露首脳会談(オンライン)が予定され、バイデン大統領がロシアのウクライナ進攻を止めることが出来るのかに注目が集まっています。
また、欧州はロシアに対して制裁を課していますが、同時に天然ガスをロシアから輸入している状況です。
ロシアからの天然ガスパイプラインの1つである「ノルドストリーム2」の認証作業を一時停止していますが、ロシアへの制裁と同時に欧州自身に対しても天然ガス価格の上昇というリスクに繋がっています。
ロシアのウクライナ進攻と欧米の制裁に関するヘッドラインに注意しておきたいと思います。
ポーランドリスク
ポーランドとEUは司法権を巡り対立が続いています。
EUはポーランドに対して罰金の支払いを命じていますが、ポーランドは罰金の支払いを拒否しています。
このことから、EUはポーランドに対して支払うEU加盟国の分配金などの支払いを停止しています。
現状、ポーランドはEUに加盟していても分配金などを貰うことが出来ない状況なので、EUに加盟している旨味が少なく不満が溜まっている状況です。
このことからポーランド国内ではEUからの離脱の声が高まっており、ハンガリーも同調してきている状況です。
ポーランドでEUからの離脱が本格的に進み始めないか、ポーランドと欧州の対立に関するヘッドラインに注目です。
英欧リスク
英国と欧州の間では、現在も離脱協議が続いています。
離脱協議の中でも以下の2点に注目が集まっています。
欧州は離脱協議の一旦のゴールとしてクリスマスを考えていて、それまでに離脱協議が合意に至らなかった場合は合意なき離脱(離脱協定の破棄)の可能性が出てきます。
合意なき離脱(離脱協定の破棄)はユーロにとってもポンドにとっても売り要因となり、世界的なリスク要因に繋がる可能性があります。
北アイルランド議定書の改定
2020年末で英国はEUから離脱しましたが、その際に離脱に関する協議の一つに北アイルランド議定書があります。
北アイルランド(英国領)とアイルランド(EU加盟国)の間には物理的な国境を設けず、関税や物の移動などについて取り決めたものです。
現在の取り決め内容に英国も欧州も納得しておらず、内容の改定について協議が続いています。
英仏漁業権問題
英国がEUに加盟している時は、欧州の国も英国領海で漁業をしていました。
ただ、英国がEUから離脱することで、英国は欧州各国による英国領海での漁業を禁止しました。
欧州各国は離脱協議で英国領海での漁業権を主張し、対立を続けています。
(離脱協定の中で英国も譲歩して、一定数の漁業に関して認めています)
なかでもフランスは英国領海での漁業権を主張しており、英国がこのまま拒否を続けるなら制裁措置を発動すると言っています。
トルコリラ
トルコは先週、2回の為替介入を行っています。
ただ、トルコリラの水準は最安値更新を続けています。
今週も為替介入を続ける可能性がありますが、トルコの外貨準備高(為替介入の原資)は少なく、為替介入には限界があります。
限界を迎えたときにリラ安が進み、暴落するのか?それとも政策金利の利上げに踏み切るのか注目です。
トルコリラが暴落して、トルコのデフォルトに繋がるのかにも注目です。
トルコリラ安が進めば、トルコ国債の償還・利払い額が増え、デフォルト懸念に繋がります。
トルコがデフォルトした場合、トルコ国債を多く抱えている欧州の銀行に飛び火し、今度は欧州リスクに繋がってしまうので要注意です。
中国リスク
中国恒大集団をはじめ、中国不動産会社の債務支払い期限が迫っています。
本来であれば11月に支払うべき債務が支払えず、30日間の猶予期間に突入していましたが、今週は30日間の猶予期間も期限を迎えてしまいます。
期限までに資金が用意できないとなれば、デフォルトになりマーケットへも影響するのではないかと考えています。
また、中国では不動産バブルの崩壊とは別に、新型コロナウイルスの感染拡大懸念も出ています。
中国では新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」など感染が拡大しており、ロックダウンなど行動規制を強化している状況です。
来年2月に北京冬季オリンピックを控えて、なんとか感染を抑えたい中国は経済よりも感染を抑える為に行動規制強化に力を入れています。
このことから中国経済がどこまで悪化するのか、中国不動産バブルの崩壊と合わせて注目です。
2)政策発表・経済指標
金融政策発表は?
重要指標は?
- RBA理事会に注目!
- カナダ中銀(BOC)に注目!
- 米CPI(消費者物価指数)に注目!
✔️RBA理事会
12月7日(火曜日) 12:30 RBA理事会・政策金利・声明文発表
注目度 | やや高い |
織り込み度 | 据え置きを織り込み済み |
バイアス | 豪ドル売り |
ポイント:声明文で来年の見通し
RBA理事会は据え置き予想で、注目は声明文です。
豪州でも新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」が発見されており、感染拡大が懸念されています。
感染拡大による経済停滞の影響がどこまで出てくると考えているのか、また、それを踏まえてRBAの今後の政策スタンスに注目です。
リスクオフが進み、資源価格が低下している状況で売りが進んでいる豪ドルが、RBA理事会の発表でさらに売りが進むのか注目です。
✔️カナダ中銀(BOC)
12月9日(木曜日) 00:00 カナダ中銀金融政策・声明文発表
注目度 | 高い |
織り込み度 | 来年上半期での利上げをかなり織り込んでいる |
バイアス | 特になし |
ポイント:声明文で来年の利上げ見通し
カナダ中銀は据え置きが予想されていて、注目は声明文です。
カナダ中銀はテーパリングを完了し、利上げ時期に注目が集まっています。
米国ではテーパリングの加速、利上げ時期の前倒し期待が高まっていて、カナダ中銀の政策判断にも影響が出るのではないかと注目されています。
カナダ中銀の声明文で、来年の利上げ時期に関するヒントが出てこないか注目です。
オミクロン株の感染拡大などの要因から利上げ時期の前倒しに関するヒントが出てこなかった場合は、カナダドル売りが進む可能性を考えています。
✔️米CPI(消費者物価指数)
12月10日(金曜日) 22:30 米CPI(消費者物価指数)
予想
CPI(消費者物価指数):(前年比6.7%)
コアCPI(消費者物価指数):(前年比:4.9%)
米国では物価上昇が問題となっている状況で、物価がどこまで上昇しているのか注目です。
先週のパウエルFRB議長の発言で「インフレの高まりが一
物価上昇が顕著な場合、来週のFOMCでテーパリングの加速の可能性が高まるのではないかと考えています。
そうなると金利は上昇し、ドル買いが進むのではないかと考えています。
来週の通貨毎の分析
本日も各通貨ペア毎に見ていきます!
ドル円
スタンス:買い目線
ポイント
・リスクオフ
・CPI(消費者物価指数)
基本はドル円買い目線です!
先週のパウエルFRB議長の発言でドル買い圧力が強くなっています。
予想を下回る雇用統計の結果を受けても、すぐに米ドルが買い戻されるところを見るとドル買い圧力はかなり強いと考えています。
ただ、リスクオフの円買いが進み先週末はドル円下落して引けました。
今週はFOMCを控えて様子見ムードが強く動きづらい展開が予想され、10日に発表のCPI(消費者物価指数)まではリスク要因による動きが考えられます。
リスク要因が表に出てくるとリスクオフによる円買いが進み、リスクオフが後退すると円安が進むのではないかと考えています。
ユーロドル
スタンス:売り目線
ポイント
・欧州リスク
・コロナ感染拡大
・リラクラッシュ
ドイツでは新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」による感染拡大もあり、過去最大の感染者数となるなど感染拡大が問題となっています。
コロナ感染は欧州各国で問題となっており、ロックダウンなどの行動規制が増えています。
※欧州に関するリスク要因は上記を参照
また、今週は要人発言も経済指標も少なく、リスク要因に注目が集まりやすいことを考えるとユーロ売りが進みやすいのではないかと考えています。
その他にもテーパリングの加速の可能性が高まり、ドル買いが進むようであればユーロドルの下落に繋がるのではないかととも考えています。
このようにユーロは売り要因ばかりなので売っていきたいのですが、調整のユーロ買いやスイスによる介入などには注意しておきたいと思います。
フラン高が対ユーロで進んでおり、スイスフラン売り・ユーロ買いの介入ポイントまで来ています!
介入が入るとユーロ買いが進む可能性があるので注意しておきましょう!
ポンド円
スタンス:売り目線(レンジ)
ポイント
・離脱協定
・英欧リスク
ポイント
- リスクオフが進み円買いが進む展開
- 英国と欧州の対立が表面化しポンド売りが進む展開
今週はリスク要因の方が注目される1週間ではないかと考えています。
利上げ期待によるポンド買いもあるとは思いますが、リスク要因のポンド売りの方がやや強く表れるのではないかと考えています。
ただ、リスクオフが後退した場合は円売りが進み、利上げ期待のポンド買いからポンド円の上昇に繋がる可能性があります。
売り目線から買い目線に切り替えが出来るように考えておきたいと思います。
ゴールド
スタンス:買い目線
リスクオフが進めば、安全資産のゴールドは買われやすくなるのではないかと考えています。
また、安全資産である債券に資金が集まり、金利が低下しておりゴールド買い要因ともなっています。
金利上昇 → ゴールド売り
金利低下 → ゴールド買い
✔️リスク要因との相関性
リスクオン相場 → ゴールド売り
リスクオフ相場 → ゴールド買い
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